成功体験にしがみつかないためには「特技」に変換する
写真はたくらみ合宿の時にバーベキューの準備をしてくれた、株式会社イメージデザインの田中利和社長。バーベキューは彼の特技、インストラクターの資格も持っています。参加者からは「スッゴーイ!」の驚きの連続。今日はそんな「特技」について考えてみたいと思います。
長年取り組んでうまくやってきた事業が転換期にさしかかり、根本的な仕組みや商品開発をやり直さなければならない。あるいは事業転換を考える必要が出てきた。そんな会社は多いのではないでしょうか。
でも今までのアイデアを改良してやっていくのって、結構限界に来ていると思います。
だって、モノやサービスが余っている時代に、それがちょっとばかり良くなったからといって「もう似たもの持ってるし」「いらないもの増えるだけだし」って思うと買われないですよね。
どんどん商品が「溜まる」「淀む」「腐る」ことになっていくだけ。
そうは言っても。。。以前売れたとか成功したとかって体験から抜け出すのって、まあまあ大変。
そんな時、秋田県の剣道の達人、東海林一義さんとのやりとりを思い出します。
やってきたことは、標準装備と考える
「東海林さんは若い頃から何十年も経営研修をやって、多くの講師より詳しいくらいですが、自分は講師にはならないのですか?」
「目指した時期もありましたが、今は、それは ”標準装備” で。」
むむ、なるほど!と思いました。
経営相談もできる剣道七段。なかなか凄そうに聞こえませんか? 実際、彼は経営に困った友人の相談によく乗っていました。そうするとご商売の剣道でもダントツの信用を得るのです。「同じ買うなら彼の店だ」となってしまいますね。
得意なことだけども、それはウリにしない。ウリにすると窮屈になるので、標準装備や特技と言ってしまうという感じです。
タクラミストのとくいっち(得居裕江)もデザイン専門学校の学生にこのように言ってたそうです。
「普通の人がデザインができることはすごいことなんよ。デザインができる◯◯になると、とってもいいよ!」
いくらデザインが得意でも、全員がデザイン事務所に入れるわけではない。しかしデザインができる公務員さんとか、税理士さんとか、漁師さんとか居たら、何か素晴らしいものを生み出しそうですよね。
実際とくいっちの教え子の中には
ウェブ制作ができる手芸店の店員さん!
ぬくもりのあるイラストを書いてくれる銀行員!
がいるらしくって、それぞれの場所で活躍しているそうです。とってもいい役割を果たしてそうに思いませんか?
「ウリ」にしがみつかない
今まで、あなたのウリは何? 自社のウリは何?と聞かれて、それを確立して来た人は多いと思います。
しかしそのウリの競争が激しくなってきた時、これから縮小していく市場になってきた時、そのウリだけではなかなか売れない感じた時。
そのウリを「特技」と言い換えてみると、別の「ウリ」と組み合わせが簡単になって、全然違う価値を生み出したりするんですね。
成功体験を捨てろ、ともよく言われますが、それはしがみつくなっていう意味に捉えています。しがみつかずに生かせれば一番いいわけです。
だから「成功体験は、特技に変換しちゃう」。どんどん特技を増やせると楽しいですね😊
投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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