介護される方たちが元気になった事が何より嬉しい:第一回介護イノベーションサミット

20191123

第一回介護イノベーションサミット

 

宮城県、山形県、飛行機を乗り継いで大阪たくらみベースまで、事例発表に来てくださった介護・福祉に携わる方々

 

そして、泉大津市役所の方が行政でのTOCの取り組みを発表して下さいました。

 

参加者の方々の中には、たくらみ屋もTOCも知らないけど、こくちーずを見て参加して下さった看護師さん。

出張のタイミングで大阪の介護の仕事に関わる友人を誘ってくれた山形の経営者さん。

企業のコンサルで病院や福祉施設に関わる方・・・

 

少人数ながら、質疑応答も懇親会でも密に意見交換が出来た充実のサミットでした。

 

●製造業の業務改善理論・TOCが介護分野で利用者さんたちが元気になって行くという想定外の事例

 

【宮城県塩竈市「愛さんさん宅食」さん】

発表者:ITコンサルタント agentlab 代表 浅比浩史さん

障害者の方も働く、こちらの事業所では、仕入れ・メニュー開発・調理・盛付、全部の工程で栄養士さんが陣頭指揮されてたのが、TOC研修でボトルネックを可視化したことで、栄養士さんの負担を減らそうとマニュアルを改善されたところ、1日につき2時間の余裕が生まれる。

余裕の時間は新メニュー開発の時間になり、お客様の満足度も上がる。

 

☆  ☆ ☆

 

12時間の時間創出は、これだけでも素晴らしい改善ですが、それ以上の成果は指示書がわかりやすくなったり、任されることも増えた障害のあるクルーさんたちが創意工夫によって自主性・主体性が発揮されていく。

 

そして、料理に興味を持たれるようになったことで、職場だけでなく、家でも食事の支度をされるようになり、ご家族にも喜びが生まれた♡

 

【山形県鶴岡市・医療法人・みつわ会様】

 

「入所相談部門」「入所部門」「通所部門」「財務部門」それぞれの改善と全体の改善、そして利用者さんが「元気」や「生き甲斐」に繋がって行く。

 

●入所相談部門

利用調査票の作成に時間が掛かっていることから検討時に必要な項目と、入所決定後に必要な項目を分類し、記入時間が2時間から30分に短縮

 

調査票の記入が速まることで審査会で諮る待機期間が速まり、申込みから入所までの期間が約5ケ月から3ケ月に短縮。

(ベットの空くタイミングも待機期間に含まれます。)利用者さんの身体的な負担やご家族さんたちの不安、心配の軽減に繋がる。

 

●通所部門

入浴介助の手順をボトルネックに合わせ、継続的改善を繰り返したことで、入浴時間そのものは約7分延長(ゆっくり入浴できるようになった)にも関わらず、入浴業務全体の終了時間は20分短縮された。

入浴時間の20分短縮が次の昼食時間の余裕となり、この余裕時間が利用者さんの自立支援の時間に使えるようになった。

 

お味噌汁をよそう、お茶を入れる、テーブルを拭く・・・

 

これまでは職員さんたちが時間に追われていたため、利用者さんには「座ってて。私たちがするから・・・」としていたところを、見守る余裕ができ、できることをお願いするようになると、

 

「お茶を入れてくれてありがとう」

「お味噌汁、ありがとう」

 

ありがとうと言われる機会が増えた。

☆ ☆ ☆

 

「病気になってしまって、家では何となく邪魔ものになってしまった気がしていたけど、ここのおかげでまたありがとうと言われる機会、人のお役に立てる機会が増えて嬉しい」

 

利用者さんたちから、こんな声が聴こえるようになったことが何より嬉しいし、現場スタッフさんたちの自信に繋がって行ってる。

 

「じゃあ、次はどんな喜んでもらえるようなことが出来るかな・・・」

 

時間が出来た事、風通しの良い職場になったことでスタッフさんたちにとっても、それぞれの想いが活きる場所になって来ている。

 

●入所部門の事例は前回ご発表頂いた様子、こちらをご覧ください。

 

●財務部門

今まで大きな2つの山:「締め」に合わせて仕事をしていた。

「給料」「請求」

「締め」に合わせていたため、月次MQ(売上総利益)が翌月末でないと確定できなかったのが、現段階で翌月10日になった。

今は日次決算を目指している。

実際の日次決算化にはまだ至ってないけど、TOC研修を財務・介護の職域を超え、みんな(リーダー職)で受けれたことで共通言語が出来、例えば物品購入や賞与に関しても、一方通行の要求ではなく、そのためにはMQがいくら必要かの物差しがみんなにできた。

 

同様に、これまで慢性的に人手不足の要望があったのが、売上総利益と固定費の概念が共通されたことで、「人はいらない」と意識が変わった。

 

 

 

●施設全体

約4年前、一人のスタッフさんの強い希望から始まった誓いの儀式「バウ・リニューアル」

高齢になっても今、二人で一緒に居れる幸せをみんなで祝福したい。

ご結婚された当時は戦中・戦後で式も挙げれなかった人もいらっしゃるかもしれない。

式を挙げてたとしても和装だったかもしれない。

 

女性はいつまでも女性。

だからドレスを着せてあげたい。

 

一人のスタッフさんの強い想いから始まった「誓いの儀式・バウ・リニューアル」の取り組みは、回を重ねるごとに、関わる人たちも増え、今は利用者さんも一緒になって、ケーキを作ってくれたり、聖歌隊になって一緒に歌を歌ってくれたりする。

 

お祝いされたご夫婦も、そのご家族も、一緒につくり上げてくれる利用者さんも、みんな喜んでくれる。

 

だけども一番喜ぶのは、スタッフたち。

 

介護職に就くスタッフたちは「誰かのお役に立ちたい」この想いが人一倍強い。

その想いを形にするのが、役職者・私たちの仕事。

 

介護とは不幸なのか?

介護とは、どんな「ゴール」なのか?

 

ルーティンワークで疲弊している暇はない。

決められた仕事はどんどん無くし、人と関わりあう時間を増やす。

 

この利用者さんの笑顔を増やす。

職員たちの笑顔を増やす。

 

<みつわ会様事務部長・佐藤祐樹さんの発表より>

 

☆ ☆ ☆

 

製造業の業務改善で成果を上げている経営理論のTOCが介護・福祉の現場に入り、職員さんの業務時間が減る、売上総利益が増える。サービスの届くスピードが速まる。

 

これはもちろん嬉しいです。

 

ですが、そこから先に起こる事。

「愛さんさん宅食さん」では障害のあるクルーさんたちが自分たちの仕事の貢献を実感し、そして、家でも料理をはじめられたこと。

 

「みつわ会さん」では自立支援の時間ができたことにより、利用者さんに人に役立つ喜び、それを作り出せたスタッフさんたちの喜び・自信、次は何をしようかと考える循環。

 

「元気になる」「元気になる場を創る」「本能が活きる場が整って行く」

この環境創りにTOCが大きな役割を果たしていること、私はこれが何より嬉しいです。

 

●介護される方たちが元気・笑顔になる環境をTOCで創って行けることが何より嬉しい

 

質疑応答も交流会でもディスカッションが止まりませんでした。

介護制度、法律の関係で積み上がって行く書類や作業もたくさんあります。

社内だけではどうすることもできない制度・法律のことも、実際に行政で実践されてる方も交え、お話出来た事、大きな一歩であると思っています。

介護・福祉の問題は社会全体の課題でもありますし、私は何より、これによって、「笑顔・元気」になって行く人達が増えることが嬉しいです。

貴重な事例を発表頂いた方々

参加・交流して下さった方々

本当にありがとうございました。

 

そして、介護TOCに興味をもって下さったかた、ぜひ、私たちにお声かけしてください。

一人でも多くの方と一緒に考え、行動していきたいです。 

笑顔・元気になって行く人たちが増える介護TOCの事例を作って行きたいです(*^^*)

 

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投稿者プロフィール

Kazumi Katsuya
Kazumi Katsuya
大阪市生まれ。西宮市在住。たくらみ屋マネージャー。秘密結社なのに、広報担当で、笑顔と安心の場創り担当。本業はImanimaru(イマニマル)販促サポーター。美活脳®マイストーリーナビゲーター/夢新聞講師(教育版、BMR版)/株式会社ソフトパワー研究所認定TOCジュニアインストラクター/教育のためのTOC国際認定取得。https://kazumi-katsuya.com/

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