TOC導入が介護現場にイノベーションを起こす:医療法人社団みつわ会様実践報告会その②

福祉の業界で働く人達はふつうの人以上に「相手に喜んでもらいたい・人のお役にたちたい」その想いが強い。

 

そして、その実行力にも優れている。

 

医師、看護師等と連携しながら、利用者さんのケアを行い、その傍らで、季節の行事、リクレーションの準備もしてしまう。

 

そんなスタッフたちが、安心して能力を発揮できる環境をつくるのが、役職者の仕事。

 

☆☆☆

 

山形県鶴岡市が拠点の医療法人社団みつわ会 事務部長 佐藤佑樹さんの言葉がとても印象に残っています。

 

みつわ会様TOC実践報告会 その2のブログです。

(その1はコチラです)

 

実践報告3:通所部門の入浴介助改善で気づく、コミュニケーションによる制約

通所されてる方の一日の流れから、入浴介助(とくに着脱介助)がボトルネックであることが判明し、介助の流れを洗浄介助、着脱介助を担当制から、状況によるフォロー体制に変更したところ、逆に流れに滞りができてしまった・・・

 

そして、その流れが滞る原因をひも解いたところ、長年の慣習、日々の業務の中で「指示あり」で動くことが多く、決められたことをこなす「指示待ち」職員を役職者が作ってしまっていたことが判明。

これを機会に「指示あり」チームから「指示ゼロ」チームへ移行

 

職員さんが気を使うことなく自分の意見を言える安心・安全の環境が整ったところ、入浴介助もスムーズに流れるようになり、

 

利用者さんの入浴が従来の44分から50.8分へとゆっくり取れるようになったにも関わらず、職員さんの休憩時間に入る時間が速くなる。

 

そこから、さらに継続的改善で、介助レベルごとに誘導場所を変えたことで、見守りがしやすくなり、職員さんの数を減らしても、利用者さんの「髪を乾かす」「ティッシュをとる」「水分を補給する」といった、自立のために自分でできる行為を増やすことができた。

入浴介助の職員さんが現場に早く戻れるようになったことで、昼食準備を利用者さんと共にできるようになる。

 

テーブルを拭く、お味噌汁をよそう、お茶を配る・・・

 

 

これは自立のための行動だけではなく、人の役に立っているとう、利用者さんの喜びに繋がっている。

 

こんな時間をもっと増やそうと、生活歴や職歴を活かした生活動作を取り入れることができるようになり、利用者さんに活気が出る。

 

 

次はどんな喜んでもらえるようなこと、できるかな?

 

職員さんたちが自分たちの意志で「指示ゼロ」で動けるようになり、多様な支援ができるようになって来た(*^^*)

 

 

●「人に評価を依存しない」生データーと事実を利用する。

 

前回と今回のブログで3名の方の実践事例をご紹介しました。

 

全て、「利用者さんの笑顔に繋がるように。自立に繋がるように。」の実践ですが、個々に数値化されてます。

 

普段、何となくやってる業務の時間を測る。「早く」は抽象的。「○分短縮」が具体的で共通のものさしになる。

そして、気づいたことは書いて貼って検証する。

 

「数値化」と「書いて貼る」ことが人に評価を依存しない、「生データー」と「事実」になり、これを共有して、意思決定します。

 

☆☆☆

 

医療施設、介護施設は人の命を預かる現場です。

資格・知識によって、対処できることが違います。

 

「指示」が必要な場面もたくさんあります。守らないといけないところは守りながら、それ以外の場面では指示を待たずに、情報を共有して各自で意思決定することで、現場の人にしかできない、利用者さんへの喜びの創造になります。

 

「ボトルネック(制約条件を)に投入を合わせることでMQ(利益)を最大化する」

 

ボトルネック=流れの滞ってしまうところ

 

そこだけにフォーカスし、その流れを良くすることで、全体の流れが良くなる。

そして、ボトルネックは移動するから次のボトルネックを見つけ、継続的改善を繰り返し行う。

 

「介護施設におけるMQは利用者さんの満足のMであり、マジ・クオリティを上げるのMQである。」

 

この言葉に、TOC研修を始める前に全員で確認した「非営利団体でMQアップのメリット・デメリット」が集約されています。

 

発表して頂いた全ての事例は、職員さんの業務・介助に掛かった時間が短縮され、利用者さんの自立に繋がっています。

 

経営的な表現・MQ会計で言うところのF固定費が下がって、MQ(利益)がアップしている状態です。

 

「みつわ会さんだからできる」

 

実践が進むにつれ、そんな声も届くそうです。

 

でも実際にされてることは投資もなくシンプルで真似できることです。

(TOCは人の増員も含む、投資は一番最後です。)

 

●「人に喜んでもらいたい」その想いをカタチにできる環境や時間を創っていく。

 

最後に・・・

 

私たちへのサプライズとして、みつわ会さんが数年前から取り組まれている、企画を紹介して頂きました。

 

 

「ウエディングドレスを買って欲しい」

一人のスタッフさんの言葉から発展していった企画

バウ・リニューアル・デイ

 

ご夫婦で利用されている方の「誓いの更新=バウ・リニューアル」

 

 

バウ・リニューアル、3年間で21組。

 

最初は職員さんたちだけで準備していたのが、利用者さんにも準備を手伝ってもらったり、聖歌隊として参加してもらったり・・・

 

ご本人さんたちも喜んでくれるし、ご家族さんも喜んで下さる。

でも一番喜ぶのは職員たちで、一番大泣きするのも職員たち。

 

「人に喜んでもらいたい」

 

誰もが持ってるその想いを行動・カタチにできる環境や時間を創っていく。

マジ・クオリティアップ(MQ )

 

みつわ会だけじゃなく、医療・介護に関わる人たち、全員、やりたいと思ってる。

☆☆☆

 

最後の事務部長・佐藤佑樹さんの発表に、タクラミスト全員、涙が止まりませんでした。

 

☆☆☆

 

医療・介護に携わる方々の本来持ってられる才能・可能性がたくさんの現場で開花されることを、心より願っています。

 

今、たくらみ屋では医療法人社団みつわ会さんの実践事例から、イノベーションが起こっている要因を検証し、ほかの介護施設でも再現できるよう、介護TOCをブラッシュアップしています。

興味のある方は、ぜひ、タクラミストまでお問い合わせくださいませ(*^^*)

 

11月23日(土)介護イノベーションサミット開催! みつわ会さんも発表されます。 → ご参加はこちらをクリック!

投稿者プロフィール

Kazumi Katsuya
Kazumi Katsuya
大阪市生まれ。西宮市在住。たくらみ屋マネージャー。秘密結社なのに、広報担当で、笑顔と安心の場創り担当。本業はImanimaru(イマニマル)販促サポーター。美活脳®マイストーリーナビゲーター/夢新聞講師(教育版、BMR版)/株式会社ソフトパワー研究所認定TOCジュニアインストラクター/教育のためのTOC国際認定取得。https://kazumi-katsuya.com/

相談に答えない事業相談会

1時間の無料問診で自己治癒力を引き出す「たくらみクリニック」

たくらみ屋の最も気軽な相談窓口です。こんな方に効きます。
・とにかく思考が整理されておらず、とっちらかっている。
・次の一手がわからない。
・問題がたくさんありすぎて、何からやっていいかわからない。

TOC導入が介護現場にイノベーションを起こす:医療法人社団みつわ会様実践報告会その②”へ1件のコメント

この投稿はコメントできません。