できない理由は言うな!って会社は、これから動きづらくなる。

「できない理由を言うな! できる理由を考えろ!」って言われている会社って多いと思います。

それ自体は結構いいことだと思います。だって諦めずに何とかできる方法を考える時って知恵が出ますもんね。

しかし、知恵が出るには条件があります。

1つはできる理由を考えた後に「ワクワク楽しいことが待っている!」っていう場合。

例えば移動の多い私は、飛行機の欠航や電車の運休があった時はワクワクしちゃいます。 「The Game is ON !」ゲームが始まった!って感じです。

普段経験しないことをどれだけ乗り切って目的地に無事到着するか。リアルに冒険するゲームのようで楽しいんです。最後はヒッチハイクまで考えるし、絶対に諦めないもんね。

でも仕事ではどうか。。。?

売上が上がってワクワクしそうなのは、社長だけになっていませんか?

2つ目は、何を言っても「やってみなはれ」って応援してくれることです。

できる理由をどんどん言う! それいいね!ってみんなが言ってくれる。盛り上がってやってうまくいく。楽しいですよね。

しかし、一方で。。。

「できない理由を言うな!」っていう場では無理にポジティブになっている場合もありますね。

「ネガティブなことでも何でも言ってOK」っていう心理的に安全な場ではなくなっていることもあるのではないでしょうか?

 

困ったこと、できない理由を全部出せる場を作る

「できる理由」だけでやっていると、ノリでいろんなことをやり散らかしてしまっている場合があります。

そしてあちこちで「売上が下がっている!」「不良在庫が多い!」「残業が多い!」「間違いが発生する!」などの問題が発生して、モグラ叩き的対応に追われてしまいます。

こんな時は個々の症状には対処せず、それらの症状を引き起こしている根っこ、根本問題に対処する必要があります。

その時には「できない理由を全部出そう!」が役に立つのです。

専門的に言うと「UDE(Undesirable effect)」好ましくない結果って言います。これを付箋で書いて並べます。

「これが起こると、次に何が起こる?」

って感じで、起こっているであろう順番から下の根っこから上の枝葉が生えるように貼っていき、ツリーのような図表を作ります。

これは論理的にちゃんとやると「現状構造ツリー」っていうものになりますが、全社で論理的にちゃんとやると大変ですので、最初は「なんとなく起こっている順番でいいよ」って感じで、ゆるくやっていきます。

すると。。。ああ、このあたりが根っこの問題よね!っていうのが共通認識として持てるようになります。

それが見つかったら、昨日までに書いた下記のようなやり方で、根っこの問題に対処していきます。

→ 問題点にすぐ投資をすると、大抵うまく行かない
→ ボトルネックって、別に「解消」しなくていい。

 

日頃、できない理由を言うな!っていう集団ではちょっとチャレンジになるかも知れません。できない理由を言うと怒られていた集団ですから、最初は怖くてなかなか出せないのです。

しかし「何故やるか?」の理由を説明すると徐々に安心してくれる場合が多いです。

「こんな、いろいろな問題が起こっている。」

「何としても根っこの原因を突き止めて、根本的に解決を図りたい。」

「みんなも残業が減るなど、必ずいいことがあると思う。」

「そのためには、今起こっている困ったことを全部出す必要がある。」

「社長だけではできない。是非みんなの知恵を貸して欲しい。」

ある会社では、他社の事例を何度となく壁貼りや社内報に上げて、「こんなことが起こるなら、みんなで話し合いたい」という雰囲気を作り上げました。

そして皆さんで「商品数を増加させすぎている」という根本問題にたどり着き、一気に解決の糸口をつかむことができました。

根本問題を解決したらどんなことが起こるか? 社員さん皆さんのどんないいことが起こるか?

それを書いて並べた時、社員さんの心からの笑顔が出たのです。

 

前向きで元気な会社は大好きです! しかし是非、たまには困っていること、できない理由を全部出しても安全な機会を作っておいてほしいなと思います。

「心理的に安全な場」を作れるように、たくらみませんか。

(2018年2月15日の記事を加筆修正)

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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