ゴールから出口へ

ゴール、目標を決めるのが大事だと言われます。ゴールからの逆算が大事だとも言われます。

しかし私が大好きなザ・ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズは

「ゴールなんてないんだ。」

と言います。

いろんな分野の成功者と言われる人のインタビューでも「ゴールなんてない」っていう言葉をよく聞きます。

どちらが本当なのでしょうか?

 

アメリカの製造業を一変させた「ザ・ゴール」という小説の最後の場面で、ジョナ博士はこう言っています。

「企業のゴールは儲けることだが、私のゴールはそうではない。」

ここは、長年考えさせられている場面です。

2つあるのは面倒で複雑。この2つを統合して目指せるものが、何かあるのではないか?

 

創業100周年記念式典で見た「ゴール」の次。

先日、創業100周年を迎えられた京屋染物店さんの記念式典に出席させていただきました。

京屋さんは、2015年のTOC研修を皮切りにたくらみ屋が企業改革に伴走させていただいた最高の素晴らしい事例になっています。

→ 参考記事:グランプリの理由は「まず時間を創ったこと」

100年かけて築き上げたご縁が会場に渦巻いていました。100年信頼を築くっていうのはこういうことなんだなぁってひたすら会場では感動しつづけるばかりでした。その感動の様子は多くの方がSNSなどで書かれています。

その式典の中で、私が最も印象に残ったのは、退職者表彰の場面でした。

染職人の宮田さん。京屋さんの工場見学をさせていただく時、いつも彼は黙々と染め物を洗っていました。

この洗い作業というのは、余分な染料を洗い落として染める必要がないところが染まらないようにする重要な作業なのです。徐々に温度を上げたお湯で何回も洗っていくため、いつも彼は湯けむりに包まれていました。夏はとても大変な作業だったと思います。

京屋染物店の百年の品質を支えてくれた職人さんが、このたび定年退職されるのです。ああ、彼が居なくなるのか〜。。。と感慨深い気持ちでした。

この式典で素晴らしかったのは、たくさんの出席者が注視する中でしっかりと時間を取って宮田さんに感謝の言葉を社長が述べ、立派な感謝状をお渡しされたことでした。

「感謝しない者が、感謝をされることはない。」

先代からそう教わったという蜂谷悠介社長の言葉には、本当に今までの働きに感謝する気持ちがいっぱい込められていました。

数百人の出席者も万雷の拍手を送る。最高の「出口」だなと感激しました。本当にいい場面を見せていただいた京屋染物店の皆さんに感謝です。

 

流れ出す「出口」を用意する

そう、素晴らしい「出口」を用意する。

これが企業の「ゴール」と個人の「ゴール」を両方とも実現していくキーワードと感じました。

なぜなら、TOCの本質は自然の「流れ(フロー)」を作ることだからです。

「ゴール」にたどり着いて、そこで溜まっていると流れない。

ゴールはあくまで通過地点。そこに行き着いたら、次の人々がどんどんゴールしてくる場所を空けるために、出口に進まないといけないのです。

溜まらないように流れを作るには、ちゃんと出口を開けておく。そして願わくば、それが次の素晴らしい「入口」でもあってほしい。

人のことで言うと「次の活躍場所を用意する」ということだと思います。

最近は、店長やエリア長など「長」という役職を廃止する会社が周囲で増えています。

これは「長」の役職があると、そのポジションを守ろうとしてしまうことが多いからです。経験やノウハウが「長」の頭の中に全てあってブラックボックスになり、他の人ができなくなる。

「自分は重要だ!」という感覚が強くなり、ますます仕事を抱え込んでボトルネックとなってしまう悪循環になっていくのです。

しかし、次の場所の「出口」= 活躍場所・機会 があればどうでしょうか?

次には1店舗を脱してもっと大きな地域を発展させていく機会もあるよ。新しいコンセプトのお店を作って社内起業できる機会もあるよ。あなたの良さがもっと生かせる場所があるよ。

そんな「出口の先」が見えていたら、自分の場所を頑なに守ることは少なくなってくるはずです。

ゴールで溜まらない、どんどん出口に出る。

次世代に向かって大きな流れを創って行こうではありませんか。

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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