自信を持って伝えるには(1) 自分のストーリーから理由を引き出す

人の前で伝える仕事は20年以上やってきましたが、やっぱり自信を持って伝えられない時はあります。

そして自信を持てなかった時の方が、後でいろいろ考えます。

何故、力強く伝えられなかったんだろうか?
自信を持って伝えられた時は何があったんだろうか?

50歳を過ぎると「教える人に教える」「伝える人に伝える」立場になることが多くなりました。

やっぱり最初は皆さん自信なさげに教えます。伝えます。

当然でしょうね。。。最初の時点では、学んだことをただそのまま伝えるメッセンジャー、録音再生機でしかないわけです。

子どもの頃は知ったことを伝えるだけでも「俺、こんなん知ってるねんで!」って自慢げに話すことができますが、大人が仕事として伝えようとすると、常にこの問いがつきまといます。

自分が伝える意味って何?

そんな問いに踏み込んで行けると、そこからがスタートのようです。

 

1.何故やるかを言語化する

わたくし森本が好きな映画の「マトリックス」にこんなシーンがあります。

「理由こそが力の源、欠けば無力だ。君たちは理由を理解せず、力も持たずここに来た。」

理由。Why。何故やるか?

これを持っていると、力が出るということなのです。

 

何故、わたしはこれをやっているんだろう? 。。。なかなか簡潔な言葉で表現することは難しいですね。

でも、簡単に何故やるか?を伝える方法があります。

それは自分がここに至った「ストーリー」を語ることです。

これは、森本が「教えない」研修をこれまでやってきた理由となるストーリーを書いたものです。

「小学生のころ、宿題がわからないけど教えて〜って言いに来た友達の説明を聞いていたら、急に友達があ!わかった!ありがとう!って言って帰って行った。私は何も教えていないのに。。。」

この記憶がずっと残っているということは、とても人生にとって重要だったということですね。

その後、森本はTOCという「教えない」研修プログラムに出会い、それを最もやりがいのある仕事とするようになっていきました。

ちなみにこの何故を引き出すプログラムは「マイストーリーワーク」といい、たくらみ屋のマネージャー勝矢和美が得意とするものです。開発者は(株)美活脳研究所 代表の上村晃一郎さんです。

私はたくらみ屋ができた初期の頃に、お二人に「何故やるか」のストーリーの三本柱を引き出してもらいました。

一本ではなく三本の柱が立つと、なかなか倒れません、ブレません。

何故やるか?の力は、本当に強固だと感じます。

京都でお会いした指示ゼロ経営の最高峰、ブラジルのリカルド・セムラー氏は、この「ストーリーを語る」ことを徹底していました。

数千人の規模で指示ゼロ経営を行うセムコ社には「理念がない」とセムラー氏は言いました。すると会場から「理念のない会社って、存在意義があるんですか?」という質問がありました。

セムラー氏は語り始めました。

「この前、意思決定を手放して10年パーティーをやってね。。。」

「労働争議が起こったんですが、会社に行ったら私を入れてくれなくてね。。。誰も私がセムラーだと知らなかった。」

ずーっと、こんな物語をするのです。質問には全然答えない。ずっと禅問答のように自分のストーリーだけを語っているのです。

会場はポカーンとしていましたが、私と私にセムラー氏のことを教えてくれた人たちは、ウンウンと激しくうなずいていました。

私の理解はこうです。

「自分は自分のルーツがあって、このようなストーリーがあって、今のようにしている。しかし同じストーリーを経験しても、あなたが同じようにするとは限らない。だから、どっちがいいか?という質問に答えることはあまり意味がない。」

そのくらい、何故の源となるストーリーは重要なもの。自信の源ということを教えていただきました。

ぜひ皆さんも、ストーリーの柱を引き出してみませんか?

 

次回以降、自信を持って伝えるには(2)一次情報を持つ (3)伝えられるように伝える と続きます!

 

TOCと指示ゼロ経営を伝える自信が持てる
「Toc → 指示ゼロ経営で ”手放す” 経営 10回シリーズ」は →こちら

投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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