大人が限界を夢中で超えていく時:子ども商店たくらみカフェ(2)

「教育っちゅうのは、責任の避け方とか失敗の避け方とか、要領のいい生き方っちゅうものを教えるハウツーでしょうか。ぜっんぜん違いますね!」

前回は、子ども商店カフェの講義から、子どもたちが売ろうとする商品の原材料を市場調査しに行くフィールドワークまでの過程を書きました。

→ 前回の記事:子ども商店たくらみカフェ(1) 無限のエネルギーを開放する!

子どもたちが走り回っている間、大人たちには「教えない」MGでの教育の場をきっかけにして、才能を青天井に伸ばす志を説明します。そしてあの植松努さんの動画を見ていただきます。

冒頭の言葉に続き、植松さんが語ります。

「教育とは、死に至らない失敗を安全に経験させるもの」

この考えを大人たちと共有して、恐らく失敗を山ほどして帰ってくるであろう子どもたちを待ちます。

 

「間に合った〜!」

ちょうど動画が終わる頃、女の子たちが息を切らせて帰って来ました!

「あ、いいことが起こってたな」と思いました。みんな教室にいた時とは比べ物にならない笑顔です。

何が起こっていたか?アテンダントの岩田さんの文章を引用させていただきます。

 

☆   ☆   ☆

女子チームのフィールドワーク!

まずは、お隣のAGカフェで聞き取り調査。

ホットケーキミックスを使うと簡単にケーキが作れるよ♪と、お姉さんから優しいアドバイス♡

この時点で、値段と中身の量はセットでメモしておかないといけないことに早くも気づく。さすが女子(๑>◡<๑)

次は、卵、牛乳、油の値段を調べることに。 そこで素朴な疑問。

「どこに売ってるん……?」
「いっつもお母さんが買って来るから分からん」
「コンビニには無いと思う!」
「スーパーに行けばあると思うけど、あのスーパーは遠いからあそこまで行ってたら、約束した時間に間に合えへん」

など、わーわー議論(笑)

「私たち、一体どこに向かってるん?」と言いながら歩き、最終的には「あのドラッグストアにあるはず!」と意見が合致。

そこから、ドラッグストアに一目散。 食料品売り場も目ざとく見つけて、まずは牛乳から。 ……めっちゃ色々あるやん! 品数の多さが想定外だったようです(笑)

「こっちのほうが中身少ないのに高い!」
「レジで払うお金はこっちやで!」
(税抜き価格と税込み表示の違いに気づく)

しばらくすったもんだして、続いては油の前でも同じやり取り。

「卵は無いな〜〜」と言いながら一旦お店を出たものの、「もう一回探してくる!」と再び店内へ。

「卵あったーー!!!」
「でも、どの卵がいいん?」 (再び品数の多さを前に戸惑う)

とりあえず値段をメモして店外へ。

「あ、卵10個でこの値段やわ」 数量もメモしなきゃという最初の気づきを思い出して、メモメモ。

そしてここで、時間をチェック。 16時に帰るってお母さん達に約束したから、もう帰らなきゃ!!!

帰路についたわけですが、歩きながらはたと疑問。

「米粉、卵、牛乳、油、これだけでケーキできる??」
「フルーツもいるー!」
「生クリームも!」
「チーズケーキは?」
「嫌い」
「モンブラン!」
「じゃあ栗も要るやん」

こうして、わーわー言いながら最後は走って戻り、何とか約束の時間に滑り込みセーフ!

全く戻ってくる気配のない男子チームに「だんしサイテー」の落書きで締めくくり(笑)

女子力でまくりのフィールドワークでした(๑>◡<๑)

☆   ☆   ☆

 

さすが女の子、きっちりまとめて来ますね〜。でも落書き見ると、女の子って怖い😅

そして大幅に遅れて到着した男子チーム。ホワイトボードには目もくれず飲み物おやつに走る。

「ちゃんとホワイトボード見ぃやー!」って女子チームが叫んでます😃

 

さて男子チームはどうなった?

何とチームが分裂していた? お店に行ったけど役に立たなかった? その様子はこちら。

 

☆   ☆   ☆

俺たちはゲームを作るんだ!!と事務所を飛び出しヤマデン(ヤマダ電機)へ

途中とにかく走る走る

お兄さんたちが置いていかれるレベルでした笑

そして、ヤマダ電機に到着!

そして、気づく。

『ゲーム機は売ってるけど、中身売って無いやん!』
『そもそもゲームの中身って何でできてるんやろ?』
『あ!あっちで阪神戦やってるわ!阪神戦見に行こ!!』

などなど気づきがたくさん。

阪神戦のテレビから引き離したところでパソコンでゲームの中身を調べようとするも、ネットが繋がってないことに気づく。。。

そうこうしてるうちにそもそもゲーム機じゃなくてカードゲームでもよくない?と考える一派と俺たちはWiiみたいなゲームを作りたいんやと考える一派で対立し、ここでチームが分裂。。

カード一派はどんなカードがあるのかブックオフに探しに行ってしまいました。。

残ったWiiゲーム一派はなす術なく、

ここでお兄さんのiPhoneの出番!!

そもそもゲーム機が何からできてるのか?

ゲーム機に必要な部品の値段をAmazonを使って音声検索

バッテリー 4000円?
コイル 1800円?
部品セット 2700円?

など9つもの部品をヤマダ電機内(手持ちのiPhoneで)で調べあげ、事務所へ戻って行きました。

集合時間を思いっきりぶっちぎりながら、ゲーム製造に必要なものの値段を足していくと3万円超、、

これやったら完成品を買って売った方が安くね?と言いながら意気揚々と事務所に到着した一行でした^_^

☆   ☆   ☆

さて、最後のまとめです。

よし、みんないろいろ体験して来たね!

じゃあ最後は「売り値」について考えよう。

「みんなが考えるお商売を簡単に言うと、買う・つくる・売る、よね。」

「今日はみんなが材料を買う時の値段を見てきました。」

「つくるのは、多分みんな帰ったら今から頑張ってつくるよね。」

「今度は売る番。売る値段を決めるのは、誰でもない、みんな自身です。」

「今日終わったら、今度は世の中を見ながらいくらで売るか考えておいてね!」

そんな形で、第1回子ども商店カフェは終了しました。

 

大人は夢中で応援する時に、限界を打ち破る

さて私も家に帰ったら。。。松南志塾の運営チームからメッセージが続々。

「お母さんから、家に帰ったら早速ケーキの試作に付き合わされて大変です!ってメッセージが来ました!」

「家のビールの買い置きを全部子どもたちに買い占められた!それを親に売っている。息子曰く、その中から子ども三人の給料を払い、給料を貯めて材料を買い試作を作る!らしいです。」

「植松さんの動画を一緒に子どもと見ました。息子は、Youtubeってこういうふうにつかうんやなぁって言ってました😊」

 

半年後の11月のイベントなんてとんでもない、もはや1ヶ月後のゴールデンウィークくらいに子ども商店が活躍できる場を作っておかないと、エネルギーが暴走しそうな雰囲気になってきました。

運営チームからも「11月なんて言ってた私たちは甘く見ていた。大反省!」っていう言葉も出てきます。

ここでたくらみ屋がとても注目しているのは。。。大人たちが子どもに引きづられながらも、必死で応援していることです。

大人は、大切な子どもが必死にやっているのを応援する時にこそ、思ってもみないパワーを出しています。自分も必死で学びます。仕事で疲れている身体に鞭打って、何とかして子どもに付いていこうとします。

大人って、いつのまにか心理的限界をたくさん作ってしまっている生き物だと思うのです。

どうせ無理だ、それはこういうことだ、そんなことまでやるのは大変、ダルイ、疲れたってことをよく思ってしまいます。

しかし夢中な子どもたちを夢中で応援している時は、大人たちこそが「あ、自分もここまで必死になれるんだ!」ということを思い出します。「あ、子どもがここまでできるなら自分も!」とも思います。

いつの間にか、大人たちが子どものおかげで自分の限界を超えていることに気が付きます。

子どもの才能の解放が起点となって、大人が自身の才能を思い出す。
才能を思い出した大人も自信を持つ。
そんな大人になれればいいなと子どもが感じる。
また子どもたちが目標を持って才能を開花させる。。。

こんな好循環。私たちは凄いことじゃないか!と思ってます。

子ども商店を起点にして、全世代の叡智が集まる。たくらみ屋はそう強く信じています。

皆さんも、一緒に子ども商店プロジェクトをやりませんか?

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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