進化 < 学習 < 創発 2018年 年頭のたくらみ
2018年、あけましておめでとうございます! たくらみ屋の森本繁生です。
年末のSNSの投稿を見ていると、私の友人は「今年は大きく変化した」と書いている人がとても多かったです。
変化する!と決意を書く人は多いのですが、2017年は本当に大きな変化が起こった、変化を起こしたと言ってたところが印象的でした。
変化を公に投稿しない人も、会って話すと会社の人がほとんど入れ替わったとか、事業を渡したとか売ったとか、お店を作ったとかやめたとかお聞き出来ました。すぐにSNSに書けないくらいの、自分でも受け入れるのに時間がかかる大きな変化が起こっていたということですね。
私自身も一つの大きな事業をやめるという変化がありました。起業した20年前と同じように、ゼロから作り直し!という感覚があります。
しかしありがたいことに、全くのゼロではありませんでした。
これまでのご縁で引き続き応援していただいたり、助けていただいたり、一緒に仕事をしていただいたり、私たちのセミナーに来ていただいたり、社内研修プロジェクトをご相談していただける方がいらっしゃいました。
「全くのゼロからではない。多くのご縁が財産としてある。」ということを痛切に感じた昨年でした。本当にありがとうございます!
さて、これほど変化があった昨年までに何が変わったのでしょうか?
時代の変化速度が、人間の学習速度を追い越した。
私はそんなふうに感じています。そしてそれは
「学んでコントロールするという考えで出来ていた集団を作り直し、新たに時代の流れにしなやかに対応できる流動性のある集団を作り直す時」
こんなことを意味すると考えています。
「変化が速くてついて行けない」という言葉は、ネットが始まってからずっと聞いていました。ずっと聞きながら、さてさてどのくらい速くなるんだろう?というふうにも思っていました。
そしてついに、速すぎてほとんどの人間が追いつけなくなりはじめたと感じたのが2014年あたり。伊藤穰一さんの「もはや計画は不要になった」という記事が出始めました。
それまでは学んで学んで学び続けて利口になれば、未来が拓けると思っていました。
無知 → 利口
しかしそこからは利口を通り越して、多くの人がソクラテスみたいに「無知を知る」にならなければならないと感じました。
無知 → 利口 → 無知
「無知を知る」とどんないいことが起こるのでしょうか?
無知を知ると、助けを求めるようになります。
助けてくれる人と繋がりを持つようになります。
助けてくれた人も、助けを求めた人の特技が必要な人が多いです。
それらを組み合わせると「創造」いう財産が生まれます。
そして、それは人間だからこそできることだと思います。
少し前に「人間は老化することで生き残ってきた」という記事を書きました。これはNHKのAI特集で話されていたことです。
その続きで、環境変化に対応するには「進化」と「学習」という2つの方法があるということが言われていました。
進化は長期的変化にはいいのですが、急激な変化には対応できない。
急激な変化にはこれまで学習で対応してきたということです。
しかし今は?
変化が急すぎて、学習では対応できなくなってきた。
そんな時代になっているんです。
今まで人類が歴史上行ってきた進化と学習。この2つだけでは通用しなくなってきた。だからいろんな変化が起こったり、戸惑ったり、試行錯誤しているのではないでしょうか。
そうすると。。。第三の方法が必要になってくるのではないかと考えるのです。
第三の方法は、わたくし森本は「創発」と考えています。
「創発とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない特性が、全体として現れること。」(Wikipediaより)
たくらみ屋のメンバーも、創発が起こる場作りに心を砕いています。
小学生に説明する時は「ワイワイガヤガヤすること」と説明します😊
「先生が一人で偉そうにしゃべっていたらワイワイガヤガヤできないでしょ? でも正解がない問題があって、自分たちでやり方をみつけていかなければならない時は、たくさんの人の知恵が集まったほうがいいよね。」
そんな感じですね。あ、子どもたちに説明しようとすると
「正解があると思ってた時代から、正解がわからない、正解がいくつもある時代になったね。先生も試験問題つくるのも難しいよね😊」
って言い方もしますね。
学びで追いつかない時は、そうするしかない。
ならば、創発が起こる方法だけは学んでおくと良さそうですね。
創発が起こる3段階はこのように整理してみたいと思います。
1.今ある才能を知る
2.眠れる才能を掘り起こす
3.異質な才能を融合させる
才能という言葉を使っていますが、これは「強み」という言葉を使いたくないからです。
「強み」は勝つための言葉です。そうではなく、今は他の人とワイワイガヤガヤ協力して創造しようとしているわけですから、勝つための論理の言葉は適切ではないと考えています。私は「才能」「特技」などと言っている方がいいと思います。
今ある才能や特技すら、最初は100%は見えていないと思います。まずそれを発見するのです。この1の「知る」段階は、何を言ってもいい心理的安全性が保たれていれば、友人同士で十分可能です。
次に、自分も他人もまだ見えていない才能があります。これは、友人よりももっと異質の人と会う必要があります。
友人は自分と行動範囲が似ている人が多くて、全く異質とはいえないからです。世代の違う人達と会うとか、外国人に会うくらいがいいですね。
だからたくらみ屋は「子ども商店プロジェクト」をどんどん進めていって、子どものまだ見ぬ才能に驚く機会をいっぱい作りたいと思っています。学生講師から話を聞く機会も設けて、全然違う世界が急速に展開されている様子を肌で感じてほしいと思っています。
最後に、異質な才能同士が組み合わされれば、全く違う第3のものが誕生します。
私はここは素直に「この人達とやったらオモシロイよね!」という気持ちに従うだけでいいと思います。
この創発から誕生する「まだ見ぬもの」を創り出す力をつけることで、人類のこれからの歴史が創られて行きます。
全て、一人ではできないことです。相手と、信頼できる集団、コミュニティがあってできることですね。
2018年のたくらみ屋は、指示ゼロ経営を始めとした「自律的集団作り」、そして子ども商店プロジェクトを中心とした「才能の発掘と創発」をますますオモシロクたくらんで行きます。
是非みなさんも一緒にたくらみましょう! 今年もよろしくお願いします。
投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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