教えない、お口チャックも楽しむ

TOCの国際資格を取るために8日間講習を受けていた時に「60秒黙る」ということを教わりました。

自分で考えて答えを出す機会を奪わないっていうことなんですが。。。これが最初はなかなかできない。

研修で「どうでしょう?」などとみんなに質問すると沈黙が流れる。教わった言葉を思い出して我慢するのですが、15秒や20秒沈黙が流れると我慢できずに「じゃあこれではどうでしょう?」なんて口を挟んでしまう。 あ〜。

そのうち少し外に出たり、みんなが見えない位置に隠れるとかって技を身につけて、ようやく誰かが口火を切るまで待てるようになりました。

それにかかった時間は、2年。長い修業でした。

確かにみんな自分たちで考えるようになり、自分で考えたことはすぐに実践につながることが増えました。

社内研修などでもいつも口出しすぎている上司の人たちにも一緒にやってもらうことで、かなり自律的集団ができてくるようになりました。

しかし、すこーしだけ物足りないことがあったのです。

それは上司がムードメーカー役も果たしている場合。

教えすぎなくなるのはいいのですが、「は〜!」「へ〜!」「ほ〜!」っていう場を暖めるハヒフヘホ言葉も封印しちゃう場合もあったのです。

その場合、社員さんは喋りだすけどあんまり楽しそうでもない。封印された上司は、喋れない欲求不満だけがどんどん溜まる!

溜まると良くないよ〜、不良在庫になるよ〜、どっかで吐き出すよ〜。

上司というプレーヤーが1人抜けた感になってしまうこともあります。「私って居る必要あるの?!」

実際、自律的集団づくりにチャレンジしてそういう不満が溜まっている経営者はたくさん居て、交流会では「指示ゼロ経営者の不満を吐露する会を作ろう!」っていう話が結構持ち上がります(^-^;

もうちょっといい方法はないもんだろうか?

 

「黙れ」でもなく「話せ」でもない第3の方法

そんなことを考えていた新年の得居裕江(とくいっち)のスィーツTOC研修で、とっさに出た言葉がありました。

スィーツTOCを社内研修で開催してくれたトミーこと新富哲郎さん(写真左)は、いつもにこやかでジョーク(オヤジギャグ?)もうまい、楽しい人。

鹿児島県伊佐市という人口3万人の町で14名で人気スィーツ店「新富大生堂」を営む、勉強熱心な経営者でもあります。

トミーさんは2度ほどTOCを受講しています。社員さんはみんな初めて。

そりゃ教えたくなる気持ちは十分に理解できます。ちょっと最初は張り切りすぎてこうしたら?ああしよう!って言ってました。

とっさにサポート役の私の口から出た言葉があったそうです。あったそうですって言うのは、実は私は忘れていました(^-^; それがどうやらその後の展開に重要なポイントだったようです。

トミーさんがその言葉を後日ブログに書いてもらったので、私はそこが重要だったということを受講者から学ばせてもらうことになりました。

 

その言葉は

「トミー、今日は喋んの半分にしとこか〜」

でした。

 

トミーさんが喋る量を半分にしようとすると、自分も何を話すか考えるし、環境づくりに必要なことは言えたから楽だったというのです。

なるほど、それは良かった!

喋りを半分にするっていうのは妥協のように見える時もあるかも知れません。しかし一気に変えると、やっぱり人間の心がついてこない場合は多いものです。

半分にすることで、何を伝えるのが重要かを考えるようになるし、シンプルに伝えようとも考えます。これはこれでいい効果があったのです。

あ、これはもしかして。。。「制約条件をわざと創る」ってことにもなるかも。

重要なところに制約がわかりやすくあればそこに集中しやすい。効果が出やすい。期せずしてそんなことが起こったのかも。

参考記事:ボトルネックはなけりゃ創っちゃう

そんなきっかけと共に、とくいっち先生の女性らしい安心感に包まれた進行で、女性スタッフさんたちもたくさん考えていただけたようです。

受講者の人が書いていただける感想文やブログで、私達もいろんなことを学び直すことができます。今まで当たり前にやっていたことを考え直すことができます。

こうやって、受講者と共に未来を創り上げていく仕事をさせてもらっていることに、一見怪しげなたくらみ屋の面々はとても感謝しているのです。ありがとうございます!

 

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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