指示ゼロ経営を安全、効果的に導入するファーストステップ

指示ゼロ経営の米澤晋也です。今日は久しぶりにたくらみ屋からの発信です。
1月18日に僕の書籍「リーダーが『何もしない』とうまくいく」が発売されました。
お陰様で売れ行き好調です。

早速に指示ゼロ経営に挑戦したいという方もいて、とても嬉しく思っています。
でも、何から始めたら良いの?という疑問をお持ちの方もいらっしゃいます。
そこで、今回の記事では安全に導入するためのファーストステップをお伝えしたいと思います。

指示ゼロ経営は「全体最適」で成り立つ経営である

まずは、指示ゼロ経営がどんな経営法なのか、簡単にご説明しますね。
ひとことで言うと「集団が、最適な状態を『勝手に』つくり出す」というものです。
具体的には、リーダーがいちいち指示命令しなくても、自分たちで課題を発見し解決に向けた行動を起こすようになります。

今は変化が早く何が正解か分からない、リーダーが1人で采配を振るのが難しい時代です。
リーダーにも正解が分からないし、いちいち報告を上げさせてリーダーが判断していたら変化に乗り遅れてしまいます。

「その時」「その場」「その状況」に集団が即応するためには、自分たちで考え判断し決め行動することが求められます。

これを実現するためには、スタッフ1人1人に「全体最適」の視点が必要になります。
全体の中の自分の役割・行動を自ら決めるからです。

例えば、予期せぬクレームが発生したとします。
指示ゼロチームでは、その時に、リーダーがいてもいなくても、メンバーがサッと集まります。

A社員とB社員は、「まずは私がお客様の対応をします」と言い出す。
C社員とD社員は「原因究明をします」と言う。
そして「では、互いにやることをやった後、再発防止のミーティングをしましょう」と素早く話がまとまります。
全員が自分事です。

これが「部分最適」の場合、こんな風になってしまいます。
A社員:「私は自分の担当はしっかりやっていたので、私の責任ではありません」
B社員:「もっと、しっかりとしたルールが必要なんじゃないですか?」
C社員:「誰がお客様にお詫びに行くの?」
D社員:「…」(傍観者)

これが部分最適により陥る他人事です。

全体最適と部分最適、どちらが結果を出すか? 1人1人にとって得であるか?は自明ですよね。

TOCは指示ゼロ経営を実現する一番の近道

仕事は工程の繋がり、流れで結果を出します。
個々が良い仕事をしたとしても、有機的に繋がって流れなければ結果は出ません。

全体最適を実現するにはどうすれば良いでしょうか?
僕が、たくらみ屋の相棒、森本繁生から学んだことが「TOC」でした。
「ザ・ゴール」という書籍が世界中で発売され、話題になりました。
日本人がTOCを学ぶと恐ろしいことになるということで、日本での出版に反対する人が多く、発売までに時間がかかったという逸話があります。

TOCは全体最適を実現する超強力なノウハウです。

例えば、弊社では年末になると年賀状印刷のサービスを行っています。
工程はこんな感じです。

「注文を受ける」→「デザインした見本をお客様に届ける」→「デザインがOKなら印刷する」→「包装」→「お客様に配達」

仮に、1日あたりの、それぞれの能力を、受注100、見本制作80、印刷80、包装60、配達100、だとします。
すると、1日あたりお客様にお届けできる件数は…
一番弱い部分(包装)の60ですよね?
当たり前の話です。

ところが、この事例のように全体像が観えていれば当たり前なのですが、多くの場合、観えていません。
すると、梱包部署に、未梱包の年賀状の山ができます。梱包部署は残業をして悲鳴を上げています。
配達の部署は力を持て余して暇そうにしています。
でも、自分の責任は果たしているという自負はある。

これが、全スタッフが自分の工程だけでなく全体を観る目を持っていれば、受注と配達のスタッフがボトルネックの部分にヘルプに入ります。
これを上の指示で動くのではなく自分たちの判断でやれば、最も素早く「流れの最適化」がなされるわけです。

別に設備を増やしたわけじゃないのに、ボトルネックが80になったら、それだけで業績は1.3倍になります。残業も相当に減ります。

これが全体最適なのですが、これを実現するには、1人1人が全体が観えていないといけません。

TOCはそれをシステマチックに理解することができます。
TOCはから入るのが指示ゼロ経営を実現する、一番の近道だと考えています。

一度、スタッフ全員で、全体の作業工程の流れ…業務フローを作ってみてはいかがでしょうか?
流れが悪い部分が発見できると思います。
同時に、自分たちでフローをつくることで、会社全体を自分事と捉え、言われなくてもボトルネックの詰まりを解消するようになるはずです。

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