ボトルネックって、別に「解消」しなくていい。
研修のお仕事をいただくと、交流会で居酒屋などに行く機会も多くなります。そんな時、わたくし森本がついつい見てしまうのが「この店のボトルネックはどこか?!」
他人のお店って本当によく「ボトルネック」、つまり今どこで業務が詰まっているかが良く見えちゃいますね。例えばこんなふうに。。。
・店に入ったらまず靴箱の周辺に立てる人数が限られていて、なかなか店に入れない。
・席に座ったらメニューが1枚しかなくて、みんながなかなか飲み物を選べない。
・飲み物を選んだら、たいてい一番多いビールを注ぐためのビールサーバーがボトルネックになってなかなか注げない。
・一気に刺し身を頼むとまな板がボトルネック。焼き鳥を頼むと焼き場や串がボトルネック。
・あるいは人手不足の場合は、常に人の作業できる数がボトルネック。
・飲み始めたらトイレが渋滞して行列が発生する。
・精算する時はレジが混んでいてなかなか領収書が出てこない。
・帰りにエレベーターに乗ろうと思うと満杯でなかなか降りられない。。。
お店がボトルネックに対処するTOCを学べばいいのに!って思うことも多いですが、その場ではまず「お店に任せず、お客側から出来ることをする」ことを考えます。
だって、交流会の目的は交流ですからね。いろんな渋滞を待っていて交流時間が削られるなんてとんでもない。
まずTOCを学んでいる集団は、店ののれんをくぐったら人数分ビールを頼みます!
店に入ったら、ビールは飲まない人を聞いて数を修正します。事前に何を飲むかある程度聞いておいてもいいですね。
そうすると入店後すぐにビールを注ぎ始めるので、座ったらまもなくビールが出てきます。乾杯がすぐにできる!
料理の注文も、一気に頼まず「まずこれ通して!」とこまめに頼みます。「大きな山は小さく崩す」と流れが早くなる原則です。
「刺し身も、焼き鳥も、サラダも、唐揚げも、ごはんも」と一気に頼もうとすると、選ぶのも時間がかかりますし、一気に注文が来ると作る方も大変ですし、注文が忘れ去られる危険もある(^-^;
「お通しの後は、刺し身と焼鳥盛り合わせ!」「刺し身が来たらサラダと肉!」「焼鳥が来たら。。。」って都度頼んでいくと、食べたい時に来る確率が高くなります。一気にドカっと来ても食欲なくなるし(^-^;;;
お客側から流れを良くするようにすると、お店の人も人間ですから気持ちよくなりますし、いいお客さんと思っていただければ気持ちのよい接客も受けられるかも知れませんね😊
さてここで気がつくのは「ボトルネックはいつも存在する」っていうことです。
よくボトルネックという言葉を聞いた人は、それを「解消しなきゃ!」と思うようです。
気持ちはわかります。普段、「こんなことがネックで。。。」「あいつがネックだ!」なんて言葉聞いていると、ネックって悪いことのように思いますよね。
だから「ボトルネック」って聞くと、それを解消しようと思う。
でもボトルネックって、上で見たように多くの場合は解消しなくても、うまくいくんではないですか?
ボトルネックのことを書いたTOCのマンガ「ザ・ゴール コミック版」ではこんな場面が出てきます。
「ボトルネックは悪ではない。単なる現実なんだ。」
単なる現実。。。そうですよね。
このボトルを見て下さい。一番細いところの首、つまりネックがボトルネック。
これに善悪はあるでしょうか? 単なる事実でしかないです。そうありのままに捉えることが大事だと思います。
会社では「あいつがボトルネックだ!」「社長がボトルネックだ!」とかいう言葉がたまに飛び交います。
社長も解消しちゃいますか?!😃
それは「あいつは出来ないヤツ」という意味が暗に込められている場合が多い。
でもTOCの根本思想は「人はそもそも善良である。」
あいつは出来ないヤツっていう考えは、それに反してますよね?! できないと思われる業務があるからそう見えるのであって、その業務がないところでは凄く優秀に見える人かも知れない。
ボトルネックを解消したらいい時は、「本当にそれが必要か?」と考えた時に、それは要らないって答えが出た時です。ある食品メーカーさんでこんな話がありました。
「この毎月の経営会議の資料作りが大変で。。。いろんな仕事を圧迫してる。」
「これ、私たち一生懸命作ってるんだけど、本当に使われてるんだろうか?」
それを聞いた社長が。。。
「いや。。。私ももしかしたら要らないかもと思い始めている。」
「なんですって!!! やめていいんですか! \(^o^)/」
っていうことで、資料作りというボトルネックは解消されました😃
それ以外の場合は、ボトルネックはほとんどの場合存在する。そこでは「ボトルネックの取扱説明書」であるボトルネックの5段階を順番に進んで行けばいいのです。
長くなるので、「ボトルネックの取扱説明書」については次の記事で書きます!
投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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