「居ない心地」のいい場を創る:ヒュッゲ実現の3つの方法(2)
昨日はヒュッゲ実現のための1つ目の方法:「時間の使い途を貯める」について書きました。今日は、時間の使い途が決まったらいかにそれを実現するかについて考えたいと思います。
私は、サラリーマンの時に結婚しました。9月に結婚したのですが、新婚旅行は1月にハワイに行きました。
すぐに行かなかったのは、みんなが忙しく残業している中、5日間の休みをすぐに取るのはとっても気が引けたし、休みのための準備も必要だったからです。
だから、休みって取りにくいな〜っていう環境も分かります。以下のような状況が休みを取りにくくしていたと思います。
・みんな頑張る人たちで、仕事が終わらなければ夜遅くまで残業するのは当たり前だった。
・自分の価値を上げるために能力を高めて、会社になくてはならない人になろうと考えていた。
・だから、自分が休んで他人に仕事を引き継ぐとかは考えもしなかった。
今考えると。。。これらが起こるのは、一言で言うと「全体が見えていない」ってことではないかと思います。
・そもそも何で、残業が発生する人と発生しない人がいるの?
・もっと早くに仕事内容を共有していれば、しなくてよかった残業も多かったんじゃない?
・自分の能力を高めるのは悪くない。でもそれで会社はチームとして機能してるの?
・会社が「できる人」を集めて、できる人に給料を高く払おうとすれば、自分だけを見る人ができてしまいがち。
・残業している人がいる中で帰りにくい。。。っていうのは、自分が要らない人になるっていう恐怖ではないの?
自分自身も自分だけを見ていて、会社も個人の能力を主に見ていた。会社全体を一つの生き物のような集団として見ていなかった。お客様は「会社」全体を見ているのに。。。今ならそんなことを思います。
救いだったのは、社長がよく遊びに行って、真っ先に帰る人だったことです。これがなかったら、新婚旅行も行けてたかどうか不安ですね。
さて、ヒュッゲを実現している国では何が行われているのでしょうか?
ドイツの国のある企業内のカフェでミーティングが行われている映像を見ました。それは1人の社員が「3カ月休暇を取る。休暇中に起こりうることは何か?」というミーティングです。
そして「隣の机の彼は2週間休暇中だよ!」って行ってカラの机を指して笑っています。みんな順番に休暇を取っているようです。
つまり、会社の中も誰もが長期居ない時があることが前提での話し合いが行われているのです。
3カ月休むっていうことをどう思いますか? 多くの人が言うのは「そんなに休んだら自分の席がなくなっている。。。」っていう恐怖ですね。
日本である有名な会社で「マネージャーは2週間休暇を取らなければならない。休暇中に仕事したら減点」っていう制度があります。聞いた人の多くは「2週間!」って驚いていましたから、3ヶ月は夢のまた夢?って感じですかね。
でも、このミーティングが行われたらどんなことが起こるかをちょっと考えてみると。。。意外といけるかも知れません😊
いなくなっても何も起こらないって言ったら、存在意義がないと思われてしまう?! それは怖いですね〜、それなら真剣に自分ができることに集中しようって気にもなりますね。
そして何も起こらない時も、恐らく負の評価は起こりません。
・何か困ったことがたくさん起こる! → 存在意義は確かに大きいが、自分しかできない抱え込み仕事が多すぎる
・あまり困ったことが起きない! → 他の人もできるように仕組み化(会社の資産化)ができている
価値観が多様化して変化が激しく、一人の賢い人の意思決定だけでは事業が立ち行かなくなりやすい現代では、どんどん後の人ができるように仕組み化して仕事を流すのが良さそうです。
そして自分は新たに来た「自分だから取り掛かれる仕事」をどんどん始めていくのがいいでしょう。
そうすると、仕組み化して長期休めるようにすることが、会社の事業もよくなることにもつながる! こうしてヒュッゲが実現するのですね。
「居心地のいい場所を創ろう」とはよく言われますが、ヒュッゲで行われていることは、もしかして「安心して長期居なくなれる場所を創る」つまり「居ない心地のいい場を創る」ってことではないでしょうか?
居なくても大丈夫なように仕事をどんどん流していく。これからの時代、創造的でしかも人間味のある働き方の必須条件かも知れませんね。
次回は、ヒュッゲを実現する最後の大きな条件について考えてみたいと思います。
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投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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