ヒュッゲ実現の3つの方法(1):時間の使い途を貯める

ヒュッゲという言葉は、デンマーク語で「親しい人とほっこり暖かな時間を過ごす」という意味。昨年あたりから日本でもかなり注目されて来ている言葉ですね。

デンマークの人たちの家族と過ごす様子、仕事を集中して楽しんでいる様子などを見ると幸せが伝わってきて、素晴らしいな! こんな風に生活したいなと思います。

しかし、いきなり生活の形だけを真似してもうまく行かない。

実際に、TOCなどで業務改善に取り組んで、業務時間が大幅に減少して早く帰れるようになった会社が多数ありました。

「ありました」と書いたのは。。。そこから何割かの会社は、1年ほど立つと何故か元に戻っているのです。

なぜそんなふうになってしまうのか?

その理由と、それに対する3つのたくらみを考えてみました。今日はその1つ目です。

時間をいきなり持つと、使い方が分からない

日本では「フラリーマン」という言葉が使われるようになったとか。

会社が終わっても外でフラフラして帰宅しない人たちのことを言います。

それはそうかも知れません。今まで自分の時間の使い方を考えたことのない人が、いきなり時間できたら、使い途に困りますよね。

これはお金もそうではないでしょうか?

100万円、1000万円くらいだったら車買う、家買うとか言えますけど、10億円とか生涯収入を超えるような金額を言われると、途端に使い途が分からない。

宝くじに当たってしまった人が身を滅ぼすっていうのはよく聞く話ですね。

実は会社の改善現場でも、これはよく起こっています。

よく思い出すのは、年末の魚屋さんの販売現場をお手伝いした時。

12月は年間最大の正月用のまぐろの需要でいつも午前様だったのが、商品数を品質の高いまぐろに絞って、在庫や梱包材を整理したら、何と毎日14時に仕事が終わっちゃう。

「もう仕事終わったんですけど。。。これでいいんですか?」
「いいんじゃない? 今までで一番儲かっててヒマということは😊」

あるおもちゃ屋さんも、果物屋さんもそうでした。みんな仕事が劇的に早く終わって儲かっちゃう。

しかし。。。その後がよく問題になるのです。みんなヒマで不安になって、余計な仕事を始めてしまうのです。

1年経って訪問すると、元に戻っている!っていうケースが、実はたくさんあります。

自由にしていい時間ができると不安になる!

この不安は本当に大きい。実は今、この不安をどう取り除くか? のたくらみが一番の課題になっているのです。

 

時間の使い途を貯める、簡単な質問

たくらみの1つは、時間の使い途を貯めていく「質問」を流行らせることです。

以前から、セミナーに来られた方に「何をやってる時が一番楽しいですか?」とよくお聞きしました。

聞かれた人は戸惑います。売り方を教わりに来たのに? 経営改善を学びに来たのに?

それはそれでいいのですが、それらはあくまで手段。

それをやって、何を実現したいのか?
何故それをやりたいのか?

それがはっきりあれば、不安が少なくなります。

最初は仕事のことでもいいんです。

「こんなやりたい仕事をやっている時!」
「喜んでもらえるあんな仕事をやっている時!」

これも本当ですからね。どんどん出せばいいと思うんです。

出尽くしたら、たぶん仕事が人生の全てを占める人は少ないと思いますので、次を出していきます。

「子どもと一緒に遊んでいる時!」

いいですよね、30分でも1時間でも早く帰ることが定期的に続くと、家族の信頼感も増えて、一家団欒の時間もできてくることでしょう。

「カフェ開業ために準備したり、学んだり、お店巡りしている時!」

これも夢いっぱいで楽しそうですね😊 そういう気持ちを持っていると、開業に必要な情報にアンテナも立ちますし、ご縁もどんどんつながってくるでしょう。

「海外で知らない新しいことに出会う時!」
「小説を書いている時!」
「愛犬と海を散歩してる時!」
「仲間とBBQをしている時!」

どれも楽しそうですね。人間、楽しいことに向かっている時は身体が軽く動きますよね。

楽しい仕事をしている時は素晴らしい。しかしそれをずっとしているわけではない。

終わったら「あんな時間の使い途がある」ということを自分のご褒美的に持っていると、終わりまで早くできる。

そして仕事以外のやりたいことをやってると、心身が軽くなって、次の仕事も軽くできて充実してくる。

それがつまり「業務が軽く早く動く」「仕事が早く終わる」ってことにつながるんです。

年中無休だった人が、週1回休むようにしたら、むしろ売上が上がったっていうのはそんな感じですね。

年間労働時間は日本の1713時間に対して、ドイツは1363時間。

ドイツがいい面ばかりとは言いませんが、これほど時間に差があって、一人当たりのGDPがドイツが上回っているのは、1つにこの要因があると感じています。

 

ヒュッゲ実現のために、まず自分でできることは「時間の使い途の貯蓄」。

「何をしてる時が楽しい?」っていつも自分に聞いてみましょう。友人にも聞いてみましょう。

「何をしてる時が楽しい?」簡単に楽しい時リストを作って、どんなふうに実現するかたくらんでみましょう。

使い途が決まっていたら、いざ時間が出来た時に戸惑うことはないです。

お金持ちになれる人は、お金の使い途が決まっている人。
同じように、時間持ちになれる人は、時間の使い途が決まっている人だと思います。

「何をしてる時が楽しい?」

私はたくさん書きすぎて、カレンダーに入れてみたら仕事時間がなくなってしまいました(^-^;

でもそのくらいの方が「1日1時間でできないか?」「あれとこれを同時にできないか?」と考えるようになりました。

まずは「何をしてる時が楽しい?」から!

 

次回は、使い途が実現していける土壌づくりを考えていきます。

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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