イノベーションへの環境整備(1)生データの追求

イノベーション(革新)の起こし方、って言い方をするつもりはありません。

たくさんの失敗の後に起こるイノベーションは、必ずうまく行くレシピ作りとは違うからです。

イノベーションの起こし方を定型化するって変! やがてそれ自体イノベーションが起こらない仕組みになっちゃう (^-^;;;

しかし、新しいものが全く生まれなかった環境を、新しいものが生み出せる環境にすることはできます。

何も育たなかった土壌を、新しいものが育っていく土壌にすることはできます。

つまり、イノベーションのための環境整備はできます。土壌づくりはできます。

たくらみ屋の周囲では多くのイノベーションが起こっています。

※参考記事:リボーンプロジェクト

そこで共通に起こっている要件をまとめてみると、環境整備にどんなことが必要かが整理されてきました。現時点でのまとめを書いておきます。

1 「生データ」の追求と共有
2 「寄り合い」を作る
3 「その気」揃え
4 素人を入れる
5 まずやる、あとで直す

 

1 「生データ」の追求と共有

生データとは、「ありのままの事実」「主観の入ってない起こったことそのもの」です。

これが、何故イノベーションにつながるか? 生データと主観的判断の違いを見ていただければよくわかると思います。

「彼は、やる気がない」 ← 主観的判断
「彼は、何もせずにじっとしている」 ← 生データ

前者のように自分が考えてしまったらどうでしょう。そこから何も起こることはないでしょう。自分はそれが正解と思っているので、彼がやる気がないということを証明する証拠しか見えなくなり、さらにその考えを増幅させていくことになります。

結果、自分の考えに縛られてイノベーションが起こりません。

しかし「彼は、何もせずにじっとしている」という付箋を書き出して、みんなで眺めると何が起こるでしょう。

「なぜ、何もしていないんだろう?」
「やる気がないんでしょう。」
「でも、どこか身体が悪くなってたのかも知れないよ。」
「どうするかわからなくなって、頭が真っ白になったのかも知れないね。」
「じゃあ、彼に聞いてみよう。」

そこで彼はこんなことを言ったとしましょう。

「いま仕事をしても次の人の仕事が詰まっているから、慌ててミスさせないように何もしなかったんです。」

ここで一つ先の生データにたどり着くことができます。

そこからまた「本当に詰まってたの?」「何故詰まっているんだろう?」「何が詰まっているんだろう?」などの数々の生データを共有できるきっかけとなります。

事実がたくさん揃えば考えやすくなります。「文殊の知恵」が圧倒的に起こりやすくなるのです。

多くの人の知恵を集める生データの力は「神通力」と言ってもいいくらいです。

 

生データは必ず「書いて共有する」

生データを出し合った事例を紹介しましょう。

生データはただ話すだけではなく「書いて共有する」のが圧倒的にパワーが強くなります。

先日、3社が集まった会で、その中の1社の課題について話し合いました。

「繁忙期にとっても残業が多い。もっと少なくしたい。どうするか?」

ここでも、まずは写真のように生データを付箋に書いて貼っていきます。

「どのくらい残業があるのですか?」
「毎日3時間くらいですね。」 (→ 付箋に書く)
「土曜日の休みがなくなるっていうのもあります。」(→ 付箋)

「売上は上がっています。」(→ 付箋)
「しかし繁忙期は外注に出すので原価がアップして、(→ 付箋)実は利益はそんなに上がっていないかもです。(→ 付箋)」

「え? 忙しくしているのに儲からないんですか?」
「それって、仕事の取り過ぎじゃないんですか?」
「何で営業さんは、わざわざ忙しくて儲からない仕事を取ってくるんですか?」

「営業はNOと言わないからです。(→ 付箋)」
「何でNOと言わないんですか?」
「先代からそうするように教育されて来たからです。(→ 付箋)」

「それと、9月決算で(→ 付箋)目標が行っていないという現実があります。(→ 付箋)」
「もしかして決算期っていうのが営業の焦りに拍車をかけてないですか?」
「決算期って変えちゃだめなんですか?」
「そんなことは考えても見ませんでした〜?!」

決算期を変えるかどうかは別にして、普段は出ない生データが芋づる的に共有され、普段は出ない発想が出てくるのを実感しました。

「生データ」は思ってもみない発想を起こします。新しい発想の土壌となる大元です。

 

見たり聞いたり試したり。一次情報を集めよう。

一番いいのはこの目で見る一次情報。「生データを見聞きする」。飽くなき生データの追求と共有によって、イノベーションの土壌づくりの第一歩を踏み出すことができます。

次回は「イノベーションへの環境整備(2)「寄り合い」を作る」 会議ではなく寄り合い!について書いてみます。

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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