ボトルネックはなけりゃ創っちゃう

ボトルネックを見つけることから改善は始まります。

しかしどうしてもボトルネックがわからない時、全員と合意できない時があるものです。

そんな時の一つの方法は、「ボトルネックを特定しないと決める」こと。

もう一つは、ボトルネックを作っちゃう!たくらんじゃう!ということです。

 

ボトルネックをそのままにしておく

あるビアホールの社長さんがこう言いました。

「ボトルネックは営業時間とともに変わるんだ。」

オープン時はエレベーターがボトルネック。
次は受付がボトルネック。
次はビールサーバーがボトルネック。
たまに席数がボトルネック。
最後にまたエレベーターがボトルネック。

大変ですね〜、ボトルネックは解消するとか工夫してるんですか?と聞くと、ボトルネックはそのままにしておく、ということ。

え、そうなんですか?と聞くと

「決まってる時間に、決まったボトルネックがある。そのままそこに居てもらった方が分かりやすい。」

なるほど、わかりやすいボトルネックにはみんな集中しますから、文殊の知恵が集まる効果があるということなんですね。

ボトルネックがわかっていれば、あとはボトルネック取扱の原則「5step」の通り、教科書どおりにやればいいわけですね。

過去記事:問題点にすぐ投資をすると、大抵うまく行かない

 

ボトルネックを創るという発想

そのままにしておくのもいいけど、もっといい方向に変化させたいよね〜と思う場合があります。

そんな時の秘策は? ボトルネック特定をもう1段掘り下げた方法を使うと面白い。

「ボトルネックを創ってしまう。」

ボトルネック取扱5stepの1番は「ボトルネックを特定する」ですが、特定するってどういうことでしょうか?

もちろん、今ある事象から見つけるっていうことでもいいんですが、人為的にオモシロイ方向に作って、それをボトルネックって決めてもいいと思うんです。

 

例えば、よくお店の根本問題として「商品数が多すぎる」ということにたどり着く場合が多々あります。

じゃあ商品数を削減しようとするんですが、これがなかなか進まない。

「これをやめるとあのお客様がもう来なくなる。。。」
「これは長年の思い入れのある商品で。。。」

いろんな理由があると思いますが、スッパリと行かないことはまあ多いわけです。

そんな時に「ボトルネックを創る」という発想を用います。

あるお菓子屋さんは、どうやら製造してからの包装品出しの業務が詰まりがちでした。それは商品数が多いことで管理業務が多くなり、作業を圧迫しているようなのです。

そして常時60くらいある商品数を削ろうかと思うのですが、何度かやっても元に戻るというのです。

「じゃあ、商品数枠を決めてしまえばどうだろう。」

こんな発想が出てきました。要するにワクを例えば2割減の50個と決めてしまって、そこに何を入れるか?というのをみんなでワイガヤ議論するわけです。

この場合、必ず10個脱落する商品が出てきます。何を残すかみんな真剣に考えます。すると数字の目安も必要とされるかも知れないし、より良い商品を枠に入れるために新しい商品のアイデアも出てきやすくなります。

みんながわかりやすいボトルネックを創る、というのは多くの好循環が起こる効果があるわけです。

 

ボトルネックを店名にしてしまった!

京都で佰食屋というお店が話題になっています。

ボトルネックを店名にしている! 何と1日100食しか提供しない。

これは女性オーナーの「女性が残業なく働けるお店にしたい」という考えから来ています。つまり、スタッフさんの働く時間が限られているわけです。

では制約条件である働く時間に合わせて。。。って考えるわけですが、実際にはいろんなことが起こりますね。

「急に子どもが病気になったから欠勤・早退します。」
「今日は家族がいないから働けます!」

制約条件にも、いろいろと不確定要因があるわけです。

それだったら、100食っていうわかりやすいボトルネックを作ったほうがいい! みんなそれでお店をなりたたせようと思うし、こうやって紹介されるPRにもなる!

そういうふうにオーナーさんが考えたかどうかはわかりませんが、結果的にボトルネックを作っちゃうことによって素晴らしい革新が起こっていますね。

改善と革新は違うと言われます。しかしボトルネックを創るってことは、革新に繋がる改善をするということかも知れませんね。ボトルネックはオモシロク創ってしまいましょう!

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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