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【事例】歯医者さんの劇的な業務改善

TOCの取り組みは医療業界も大きく変えられるのではないか?と感じてしまう事例でした。

TOCのゲーム研修を2回受講された、ある歯医者さん。長年忙しかった業務が一週間で劇的に変わってしまいました。

この歯医者さんはボトルネックの考え方を勉強して業務フローの全体図をすぐに作成されました。しかし「どうもボトルネックがわからない」と言います。

ボトルネックがわからない時は、一度このように視点を変えてみることにしてみます。

・業務フロー図の外、前か後ろにある
・そもそも業務が少なすぎて業務がするする流れている
・業務に書かれていない方針がボトルネックになっている

そんな視点でいろいろお話していると。。。

「駐車場が5台分、いつも満杯で入れないとクレームが出ているんです。」

何ですと??

それは業務に入る前の部分。長年忙しい原因は。。。 まさか??

この歯医者さんは30分毎に診療の予約を取ります。私たちも実際に病院に行くとよく体験する方式です。

しかし、ほとんどの人が車で来院するこの歯医者さんに実際に車が駐車場に停まっている時間は?

車を駐車 + 受付 + 準備待ち時間 + 診療時間(30分) + 精算待ち時間

と考えると40〜45分くらいでは?

そうすると30分毎に予約を取ると、ボトルネックである駐車場に対して明らかに仕事を投入しすぎなのです。

 

では実際にはどう予約を取ればいいのか?

ここで歯医者さんは

「ボトルネックを最大活用する」
「大きな山は小さく崩す」

という言葉を思い出してこのような案を出しました。

「ボトルネックの駐車場5台、45分駐車を意識して15分毎に2-1-2-1という数で予約を取る」

これまでは30分ごとに、多少余裕を見た「つもり」で3-4-3-4という数で予約を取っていました。では早速シミュレーション!

 

【条件】

午前の診療時間 9時〜11時
ボトルネックは「駐車場が5台」
診療時間は「30分」、「駐車時間」は45分。

ポイントは、今まで診療対応能力(30分)に合わせて予約を取っていたのを、ボトルネックである駐車場の駐車時間30分 + 10〜15分 = 45分 を意識して、15分ごとに予約を取る。来院の9割が車利用だが、今回は全員車利用と簡単に考える。

 

【駐車場 = ボトルネックの稼働状況】

■これまでの場合 30分ごとに3-4-3-4と予約を取る

9:00 3台入る
9:30 4台来て7台! 2台入って5台満杯、2台が入れないので待つ
9:45 3台が終了して出る 2台がやっと入れる 駐車は4台
10:00 3台来る! 1台は入って5台満杯
あとの2台は9:30に入った人が終わる10:15まで待つ
10:15 9:30の2台が出るのでやっとあとの2台入って5台駐車
10:30 何と4台来る! 9:45分に入った2台と入れ替え
あとの2台は待つ
10:45 10:00に入った1台が出て1台入るが1台はまだ待つ!
この待っている1台は合計30分駐車場に入れない
11:00 1台待っているのにまた3台来る!
10:15分に入った2台と入れ替え、2台は待つ。

この歯医者さんには悪いですがもう途中で漫画みたいで笑ってしまいました。。。(^-^; では15分ごとに2−1−2−1と予約を取る改善案の場合。

 

■改善案 15分毎に2-1-2-1という数で予約を取る

9:00 2台入る
9:15 1台入る 3台駐車
9:30 2台入る 5台満車
9:45 9:00の2台出る 2台入って5台駐車
10:00 9:15の1台出る 1台入って5台満車
10:15 9:30の2台出る 2台入って5台満車
10:30 9:45の2台出る 2台入って5台満車
10:45 10:00の1台出る 1台入って5台満車
11:00 10:15の2台出る 2台入って5台満車

 

全て患者さんの待ちなし!ボトルネックが最大稼働しています。素晴らしい! そして午前に診療完了した人数は

これまで:9:45の3台 + 10:15の2台 + 10:30の2台 + 10:45の1台 + 11時の2台 = 10人

改善案:9:45の2台 + 10:00の1台 + 10:15の2台 + 10:30の2台 + 10:45の1台 + 11:00の2台 = 10人

診療完了人数は仕事投入方法を変えても変わらない! 患者さんの待ち時間は0、長年の駐車場のクレームは0になる!

また、来院時間が綺麗に分散されるため、事務対応も間違いなくスムーズに進み、ドカッと仕事が押し寄せることが少なくなるでしょう。

 

この歯医者さんはかなりうまく業務が流れるようになり予約システムもこの方法に合わせて改修されました。

「これに気づかなければ駐車場をお金をかけて拡張しようとしているところでした。」

後日、この歯医者さんは患者さんに対して治療の説明が十分にできるようになり、予防治療や保険外治療ができるようになるという好循環がおこっていました。

 

今回の事例は、TOCでうまく行った時に共通して思う「そんなことは前から言われていた」「何故今まで気づかなかったんだろう」が連発された事例です。

世の中では医者不足、医療従事者の過労が叫ばれています。しかしその原因の一端にこのような「何故今まで気づかなかったんだろう」という当たり前すぎて見えなくなっている常識があるとすれば?

TOC is common sense, but not common practice.
(TOCは常識だが、誰もがやっているわけではない)

常識を実践につなげて継続的改善を起こしていくことに
大きなやり甲斐を感じています。

(2012年7月14日 森本繁生の個人ブログに掲載した事例をリライト再掲)

 

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森本 繁生
Shigeo Morimoto

1966年大阪市生まれ。シナリオタクラミスト。株式会社こきょう 代表取締役。 「教えない」企業研修で何故か参加者の家庭や地域も良くなってしまう。革新の好循環を起こす「プロの素人」。そのためにTOC(制約条件の理論)MG(MQ戦略ゲーム)、20年全国のECショップの現場を飛び回った現場経験、臨床心理学を駆使。 1996年「電脳乞食」が日経グランプリを受賞、最初のたくらみ成功事例となったのをきっかけに、電子商店街「逸品.com」やEコマース勉強会「OSMC」を創設。2009年からMGインストラクター資格、TOC国際認定ジョナ資格などを取得して企業研修に力を入れ始める。 京都大学教育心理学科卒。野鳥観察や坐禅断食を楽しみ、4年半のニュージーランド移住経験を持つ自然好きでもある。特技は忘れ物と日付を間違うこと😃

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