教えられたものは、できない

「教えられたものは、できない。」
「自分で考えだしたものは、自分でできる。」

たくらみ屋メンバーの思考の基礎となっているTOC(制約条件の理論)。6月から松本、大阪、熊本と立て続けに行ってきました。

最近のTOCゲーム研修では皆さんとっても楽しそうにしてくれていて嬉しいのですが、それはどうやら「2.5期」を設けたことが大きいようです。

2.5期って何をやるの?

TOC研修では5年分のゲームシミュレーションをします。とっても忙しくて倒産寸前の会社を表現した第2期のゲームから、V字回復する第3期へ進むのが研修のシナリオ。これまでは第3期前に「このようにしたらうまくいく」という方法を教えていました。

でも答えを教えてもらったことって、なかなかリアルの仕事に落とし込んでの実践が難しそうなんです。

さて、どうしよう?!

本当に受講者の皆さんの才能を信じるならば。。。? ひょっとしたら自分たちで答えを考え出してもらえるんではないか?

考え方をお伝えすれば、TOC発明者のゴールドラット博士と同じ方法を思いつくのではないか?

いや、それ以上の方法を編み出すかも?

そう考えて、第2期と第3期の間に「あなたが社長ならどう立て直す?」と参加者同士で考える時間を15分程設けたのです。

15分の前に、TOC的に考える順番だけをお伝えしておきます。

1.何を変えるのか? (出発点 困った状態)
2.何に変えるのか? (目的地 理想的な状態)
3.どうやって変えるのか? (乗り物 その方法)

ルールも変えてOK!何やってもいいよ!
日常は3番のどうやって?ばかり考えるクセがついていると思うけど、出発点と目的地を最初に設定しておいてね!

ってお伝えしておくのです。

すると。。。

いやー、びっくり。

ほとんどの場合、自分たちで第3期の方法に近いやり方を考え出しちゃうのです。もっと凄い時は、2日目の第5期の進化形の方法まで考え出しちゃう。

企業と教育を変え続けている書籍の理論をみんなで15分で考え出せるとは。今まで受講者の皆さんの才能を信じきれていなくて本当にごめんなさい!

「では自分たちで考えたものを、実際にやってみましょう。」ってやると、盛り上がる盛り上がる。

「うわー、これはダメだ!」
「やった! うまく行った!」
「惜しい! もうちょっとだった!」

ここまで感情が動くのは、自分たちで考えたからですよね。やり方を教えてもらっていてはそうはいかない。

そして理論に基づいて「正式な」第3期をやってみて、その差がわかるのです。

ああ、もっともっとシンプルだった。
ああ、余計なことはしなくてもうまくいくんだ。

まずやってみた、そして修正した。その体験がリアリティにつながるようです。

試行錯誤の学び合いを経た後の、実際の会社の業務フロー図をディスカッションする光景は熱気ムンムンです\(^o^)/

こうした体験から、研修で笑顔が生まれる条件を3つ考え出しました。

1.講師が正解を伝えるのではなく、みんなでワイワイ考えられる場がある(創発)
2.ゲーム性があって、思い通りに行ったり行かなかったりする。
3.そして自分にもできる!と思える。

「早く会社に帰ってやってみたい。」

受講者の可能性を信じて、そんな研修の場作りをこれからも行っていきたいと思います。

今後のTOC研修はこちら → 7/29-30東京 11/11-12熊本

投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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・問題がたくさんありすぎて、何からやっていいかわからない。