流れを味方につける3つの方法(3):もう一人先を見る

さて前回はリスクを柔らかく受け止めるためにできる方法として「ムダを積極的に創る」ということを書きました。今回はもう一段さらに流れを加速する方法を考えてみます。

実は、これも小学生から学んだことなんです。

子ども商店プロジェクトで最近講演をしてくれている、小学校5年生蜂谷そうた君。家庭内起業をした彼の最初からの主力商品?は父にワインとおつまみを販売するということだったのでした。

しかし最近父が断酒宣言をして、メイン商品の販売先を失う事態に!

ならどうするか? そうた君は何と設備投資をしてミキサーを購入しました。

お父さんはもうお酒飲まないから、野菜と果物の無添加ヘルシースムージーを作って売ると言うのです。しかもこれなら夜だけでなく朝も販売できる!

市場閉鎖のリスクを2倍の販売機会にしてしまうそうた君の柔軟な発想にはただただ驚くばかりです😃

そんなそうた君が、家庭内商売で出した利益でお客様である親戚の皆さんにお中元の今治タオルを贈った時のエピソードは印象的です。(参照記事 → お金の循環を考える子ども商店))

 

「なぜ、幼稚園のバザーで買ったのですか?」

「自分が卒園した幼稚園が潤うし、そこの園児にもお金が使われるし、そういう場所から購入した商品はもらう人も喜んでくれるからです。」

私が子ども商店プロジェクトで一番印象深いのは実はこのシーンなんです。小学生がお金の循環を考えている。

目の前の人にお金を払うということだけでなく、その先の園児や先生、そして園児の家族にも想像が及んでいることでしょう。

ああ、循環させるっていうのは、目の前の人のその先の人、またその先の人を見ることなんだなと、深く小学生に教えられたのです。

 

もう一人先を見ると行動が全く変わる

どこまで先をイメージできるかはその時々によると思いますが、「もう一人先を見る」というのは、今からすぐできて流れを良くする方法です。

例えば、私がそうた君のような小学生に経営シミュレーションゲームMGを教えることを想像してみましょう。

目の前の小学生だけを見ている場合に思うことは。。。

・小学生がわかる言葉で話そう。
・ルール説明は、小学生が身近にイメージできるお菓子屋さんを例に取ろう。
・難しい決算はできるだけ目を離さずサポートして、早く終わらせよう。

しかし、「もう一人先を見る」で、小学生の先にいる人を具体的にイメージしてみましょう。

「この子の先には、ご両親や祖父母、兄弟姉妹や学校の友達がいる。そんな人にもMGの楽しさを伝えてもらいたいな。」

そうすると、やることが変わってきます。

・まず楽しかった!と言ってもらおう。子どもが楽しいことには大人も興味を持って聞いてくれる。理解できるのはあとからで良い。
・ルール説明のお菓子屋さんのツールを作って渡し、どんなことをやったか説明しやすくしよう。
・いや、最低限の雛形だけプレゼントして、自分で説明ツールを作れるようにした方がいいのではないか?

・説明しているとわからないことも出てくると思うし、小学生がみんな携帯を持っているとは限らないので、質問はがきを配っておこう。
・子どもたち同士が楽しくやっている様子を伝えるために、写真付きのニュースレターを送ろう。
・こんな難しそうな決算が自分の力でできたよ!と先生に自慢できるように、教えすぎないずに考えている姿を見守ろう。

いろんな発想が出てきますね😃 するとその先のコミュニケーションが流れます。

溜まっている水を流すためには、まず出口を開けますね。それと同じく、目の前の人が次に情報を流す出口はどこか? そこをまず一緒に見ること、そして出口を開けるお手伝いをする。

そうされた人は、その先の人にも同じようにする。すると大いなる流れが加速していく。

「もう一人先を見る」。視点を少し遠くに写すだけ。

これが流れを味方につけるために、自分が今日からできることだと思います。

あなたのまわりに好循環が増えますように!

 

☆好循環が増えるTOCセミナー

1/23-24山形庄内   2/10-11岐阜  2/20大阪1dayTOC  3/21-22大阪

 

投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

相談に答えない事業相談会

1時間の無料問診で自己治癒力を引き出す「たくらみクリニック」

たくらみ屋の最も気軽な相談窓口です。こんな方に効きます。
・とにかく思考が整理されておらず、とっちらかっている。
・次の一手がわからない。
・問題がたくさんありすぎて、何からやっていいかわからない。