評価が変わると賃金も自分たちで決められる

「働き方改革! 早く帰れと言ってるだろ!」

と何度言っても早く帰らないのは、早く帰ると自分の評価が落ちると感じているため。

「安い仕事、儲からない仕事を取ってくるな!」

と何度言っても営業マンが値引きするのは、儲けでなく売上で自分の給料が決まるため。

「在庫をためるな!」

と何度言ってもバイヤーさんがどんどんモノを買ってくるのは、まとめて安く買ったことがエライ!と言われるため。

自分に取って良い評価がもらえる方向、あるいは悪い評価を避ける方向に人間は動きます。

 

「私をどう評価するか教えてください。

 そうすれば私がどう行動するかを教えてあげましょう。」

これはTOCを創り上げたエリヤフ・ゴールドラット氏の有名な言葉。

「もし不合理に私を評価するなら、私が不合理な行動を取ったとしても驚かないで下さい。」

それほどまでに、人間は「評価」で動いているものなんですね。

これは、給料、ボーナスという賃金の改革を行う時にも重要なポイントです。

 

上司の評価で賃金が決まる会社は、自律的集団にはならない

相棒の米澤晋也は指示ゼロ経営を始める前に痛い経験をしました。成果を上げた者には多く報酬を払うという評価制度を持ち込んで、会社の人間関係が最悪になってしまったのです。

「新聞の部数を取ってくる人はエライ! 会社によく貢献した! 給料を上げよう!」

このように評価された人は、自分のことしか見なくなります。普段どんなにいい人でも、他人に協力しようとするより、まず自分が稼ごうとします。

実際に給料に差がついてくると更に社内で競争が起こります。他人を蹴落とすということも普通に行われるようになります。上司へのゴマすりも起こります。ライバルや評価する上司に目が行き、お客様には目が行きません。

そして「一丸となって業績を上げよう!」と鼓舞する上司の悩みは「チームワークがない、みんなバラバラだ。」

 

この言葉を思い出しましょう。

「私をどう評価するか教えてください。そうすれば私がどう行動するかを教えてあげましょう。」

そうです、これは評価が作り出している行動なのです。

あいつが悪い、あいつがダメ、ではないのです。評価という環境が人間をそのように動かしているのです。

それなら、この評価の方向を逆転させればいいことが起こらないでしょうか?

「労働分配率」という言葉があります。たくらみ屋の思想とは真逆の言葉です。

「労働 Labor」という言葉は、奴隷に語源を発するものだと言われています。つまりやらされる苦役。そして「分配」は上に立つものが下の者に分けて配るということ。

この言葉のイメージからしても「労働分配」ではどうやっても楽しい仕事になりそうもないですねー。

たくらみ屋が目指しているのは「創造的仕事 Work」と、文殊の知恵の化学反応が起きる「自律的集団」の世界。

みんなが協力して文殊の知恵が起こってから、価値が生み出され、儲けが発生する。それをみんなで分ける。

上のものが下に「分配」する考えとは真逆なのです。

過去記事:労働分配率ではなく「給料の何倍稼ごう!」

一般的に言われる言葉としては「付加価値生産性」が方向としては近いですね。イメージし易い言葉でもっと言うと「文殊の知恵生産性」でしょうか。

これを高めるためにも、やはり「評価」が鍵を握っています。

 

個々を評価をしないことで、全体最適を起こす

悩みに悩んで、指示ゼロ経営を目指す!と考えた米澤が取った行動は「個々の評価を一切しない」でした。

評価をしない? じゃあ給料が上がる余地はないの? と社員さんから文句が出るかも知れません。ここはちゃんと説明する必要があります。

社内で蹴落とし合いが起こるような状態だと、必然的にはお客様からクレームが増えます。サービスにムラが起こるし、一人ひとりが勝手にお客様に接するので、一人の知恵の範囲内でのサービス品質にとどまってしまうからです。

困ったときも、なかなかライバルに相談しないでしょうからね(^-^;

ところが個々の評価がなくなったらどうなるか? 社員さんには同じ比率で配分されるようになるので、自分の給料を上げるためには全体の儲け(MQ)を上げるしかありません。

ここで初めて社員さんが会社の全体を見始めます。

そして、試算表も勉強し始めます。何故なら自分の給料に直結していますからね。

全体の儲けはいくらだ? 全体の給料や経費、出て行くお金はいくらだ? 会社にはいくら残るんだ?残らないんだ? 来年この費用出せないと、うちの会社はなくなるんじゃないか?

まさに、社長と同じことを考え始めます。

もう一度この言葉に戻ります。

「私をどう評価するか教えてください。そうすれば私がどう行動するかを教えてあげましょう。」

個々を評価しない、ということは、みんなで文殊の知恵を働かせてみんなの稼ぎを多くしようとした人が評価される環境になったということです。

それも、社長一人の評価ではなく、周囲の社員さんみんなの評価になったのです。

 

指示ゼロ経営は一見難しいよ!と思うかも知れません。しかし「評価」というポイントで見ると、実は結構シンプルな経営に見えてくるかも知れません。

あなたの会社はどうなっているでしょうか? もし

「もし不合理に私を評価するなら、私が不合理な行動を取ったとしても驚かないで下さい。」

ということが頻繁に起こっているならば、評価制度をたくらんでみませんか?

 

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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