「変化を嫌う」をお宝に変える方法
「人は変化を嫌う」って聞いたことありませんか? 私はとってもよく聞きます。
「あの部署の人達は、研修って聞くとすっごい抵抗するんですよね〜。また新しいことやるんですかって。変化を嫌うんですよ。」
「あのリーダーはせっかくみんなで話し合ったやり方をすぐに破るんですよ。変化を嫌う。だから部下もやる気なくなって。」
このままでは会社はどんどん世の中から取り残される。何とか変わるように仕掛けるにはどうしたらいいか?
そんな悩みをよくお聞きするのです。
もちろん、変化させるうまい方法もあるとは思うんですが。。。たくらみ屋が最初に考えることは
「本当に、変わらなければいけないのだろうか?」
ということです。
問題は解決せずに、まず徹底活用する
組織の問題があると考えた場合、こんな3つの対処をすることが多いです。
人の意識を変えようとする
人の配置転換をする
人を辞めさせる
しかしうまく行かないことも多い。
意識を変えようとしても冒頭のように抵抗されます。辞めさせると恨みを買うし、他の人が同じ問題を起こすようになります。
うまく行かないなら、ちょっと捉え方を変えてみた方がいいかも知れません。
ここで「人の問題」と思っているものを会社のパフォーマンスを制限している事実「制約」と言い換えてみましょう。
「部署が、会社のパフォーマンスを下げる制約となっている。」
「リーダーが、社員のモチベーションを下げる制約となっている。」
そして制約条件の理論(TOC)の改善の順序に照らしてみます。こういった理論は言ってみれば錯覚を起こさないためのモノサシのようなものです。
STEP1 制約を見つける
STEP2 制約を徹底活用する
STEP3 制約に全てを従属させる
STEP4 制約の能力を引き上げる
STEP5 惰性に囚われずに1に戻る
このステップは、飛ばすとほぼうまく行かないと重要なものです。
このように見ると、人を辞めさせるっていう選択肢に見合うステップはないですね?!
意識を変えるっていうのはどうでしょう。これは例えば教育研修に投資するように考えると、4番目「能力を引き上げる」に当たることですね。
すると。。。2番と3番がすっ飛ばされていませんか?
つまり、意識を変えようと思う前に、やることがありそうです。
変わらない理由をリスペクトする
ある会社で、どうしても管理部が研修を嫌がる、やっても全く非協力的で発言しないという悩みをお聞きしました。
そこで上記の「徹底活用する」を応用して一緒に考えてみました。
「管理部が変わらないことを、徹底活用するってどういうことだろう?」
「まず管理部が進んでやってくれている、いい仕事を書いてみましょうよ。」
。。。
「そうですね。。。とっても仕事が正確でミスを出す確率が低い。」
「環境整備を我々でできないレベルでやる。神棚の水とかいつも綺麗に変えてくれている。」
「雑用とか、どの部署に属するか曖昧な仕事を進んでやってくれている。」
!!!
「すごいじゃないですか?! 」って我々は叫んでいました。とってもいい仕事してる!
その時出た付箋がこんな感じです。
「これを変えろって言われたら、そりゃ抵抗しますよねー。」
「これって他部署はできてないから、教えてくれ、頼らせてくれってレベルではないですか?」
「どんどん頼って、教えを請うて、力を貸してもらって、徹底活用すればどうなんでしょう?」
そのように考えていくと「制約を徹底活用する」「制約に全てを従属させる」とは、
「今まで管理部の 人を変えようとしていたのを、徹底的に頼ることにする。」
つまり「変える」→「頼る」のとってもシンプルなことでした。
これを聞いた管理部長さんは「頼られるの、メッチャ好き!」って言ったんです。
その場の空気が変わった。
この一点の根っこがひっくり返ることから会社に大きな流れが起こり、結果的に管理部の皆さんのパフォーマンスも劇的に変わって行くことが容易にイメージできます。
指示ゼロ経営を提唱する相棒の米澤晋也が言っていたことを思い出しました。
「先代社長の頃からの古参社員を変えようと思っていた時はどんどん会社がダメになった。古参社員に力を貸してくださいって言えた時から会社が変わった。」
米澤もかつては何回も「人は変化を嫌う」と思っていたことでしょう。しかし、古参社員さんが持っている宝に気づいた時に風向きが変わったようです。
もしかしたら「人は変化を嫌う」と思った時は、そこに大きな宝を発見したのかも知れませんね。
投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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