「問題が山積み」を瞬時に打破する簡単な質問
「売上が下がっている」「クレームが多い」「残業が多い」「いつも忙しい」などなど。。。やることが山積み、問題が山積みだ!っていうことをよく聞きます。
確かにそのように見えるかも知れませんが、本当にそうだろうか?
ちょっとした図解で考えてみましょう。
この図ですが、パッと見て左と右のどちらが複雑に見えるでしょうか?
全国でこの図をお見せして手を挙げてもらっていますが、初めて見た人は10人中9人は右が複雑と言います。10人中1人の変な人が左と言います(^-^)
しかし。。。このように見るとどうでしょうか?
風邪を引いた時にいろんな症状が出ます。咳が出る、熱が出る、背中が痛い、などなど。
それらに対して多くの場合は左の図のように対象療法をします。咳止めを飲んだり、アイスノンを当てたり、マッサージしたりします。
でも。。。なかなか治らないとか、またぶり返すという経験をしている人は多いのではないかと思います。
そこで、なかなか治らないな? 風邪じゃないんじゃないか? と思ってお医者さんに行くと
「これは肺炎ですね。」
そこで肺炎の治療をきちんとすると、上の症状は全部消えてなくなるでしょう。
つまり、お医者さんは右の図のように「根っこの原因」に手当てをしたのです。
「根っこの原因」を1つしっかり手当すると、そこから関連して起こっている全ての「症状」は消えてなくなる。
根本問題だけにしっかり集中すればいい!
これがTOC(制約条件の理論)で言われる「物事はそもそもシンプルである」ということです。
空気が瞬時に変わった質問とは?
企業さんでも同じような症状がたくさん起こっていて複雑に見えています。「売上が下がっている」「クレームが多い」「残業が多い」「いつも忙しい」。。。
企業さんでこのきちんと根本問題を見つけるには、できるだけ全員が集まって全体を見渡すと根本問題の発見が早いです。
根本問題とかネックって言われるものは、全体図を書くととっても簡単に見えてくることが多いです。ただ全体を俯瞰するだけで「こんな簡単なことが今までなぜわからなかったのか?」と驚くことが頻繁に起きます。
昨日も会社のボトルネックを見つける「業務フローワーク」をして、1時間ほどで会社の全体図を作りました。会社の業務の全体図を作る機会なんて、ほとんどの会社ではないようです。初めて全体図を見た社員さんたちのワイワイガヤガヤが起こります。
最初はあれが根本問題? いやこれじゃない? といろんな案が出ます。
そこである質問を皆さん同士でしてみるようにお伝えしました。
すると皆さんがその質問を根本問題候補に対して順番に投げかけていきます。
2つ目の候補にその質問を投げかけた時。。。
皆さん全員の顔がパーっと明るくなって、ウンウンと首を縦に振りました。
会社の空気が一瞬にして変わります。
ここだ! 見つけたぞ!
一気に社内改革に向けての雰囲気が盛り上がります。みんな、やろう!って感じです。
さて、その根本問題を特定した質問とは何でしょうか?
「その問題が解決すれば、とっても儲かりますか?」
これです。問題解決法を話し合う前に、それはそもそも根本問題か? 単なる症状ではないか?を診断する最も効果がある質問です。
それが本当に根本問題だったら、0.2秒で「はい!」と答えるはずです。
何故ならば? 根本問題ってとっても困っていることのはず。それが解決したらいいことが芋づる式に起こるはず。
しかし解決してもいいことが連鎖的に起こるイメージができないなら。。。たぶん、それは単なる症状です。本当に困っているところではありません。対症療法をしてもまたぶり返してきます。
解決すれば「もっと儲かるし」「働く時間も短くなるし」「明日の仕事もできるし」「家でのコミュニケーションも増える」なんてことが連鎖的にイメージできることこそが、根本問題なのです。
この質問は普段から使えます。よく飲み会などで「いや〜、うちは人が足りなくてね〜。」っていう愚痴?はよく聞きます。
その時にも同じように聞いてみます。
「そうなんですね! じゃあ人が来ればうまく行くんですよね(^-^)」
って質問すると、多くは「いや〜、どうだろうか?」「あの問題もあるしな〜。」っていろんな説明が出てきます。
それはたぶん症状であって、根本問題ではありませんね。
本当には困ってない!
応用していろいろ使えます。
「集客が足りない? じゃあ注文が2倍になったらメッチャ儲かるんですね!」とか。
できるかできないかに関わらず「できたらいいことが連鎖的に起こるか?」これを普段から質問に採り入れたり、思考に採り入れたりすると根っこにたどり着きやすくなります。
結果「新しいことをしたい!」という欲求と空気が生まれます。
革新、イノベーションの空気を創る
根本問題を見つけることは、それ自体が目的ではありません。まずは現状を改善したい。
しかし改善も目的ではありません。改善してどうしたい? 次の新しい世界に行きたいのではないか? 日々新しい面白いことに出会い続けて、充実した人生を送りたいからではないか?
根本問題に近づくことは、実はイノベーションへの入り口、環境整備なのです。
ぜひしばらくスマホの待受などにして、自分に質問することを習慣化してみてください。
「その問題がうまくいけば、いいことが起こり続けますか?」
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投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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