観察がイノベーションの始まり
最近、タクラミストの間では「イノベーション」の話題が沸騰しています。
我々が研修等で提供している価値はいろいろあります。「自律的集団になる」とか「儲かる改善ができるようになる」とか「人の才能が青天井に発見できる」とか。
しかしそれらをもう一度「何故やるか?」と考えると、どうやら「イノベーションを起こしたい」というところにたどり着くのです。
そうだよね! イノベーションを起こすためにたくらむんよね! って話していると、とっても楽しい。
イノベーションってそもそも何?
イノベーションという言葉を調べてみました。
”「英語の「innovation」は動詞「innovate」(革新する・刷新する)に名詞語尾「-ation」が付いたもので、「innovate」はラテン語の動詞「innovare」(リニューアルする)の完了分詞形「innovatus」(リニューアルされたもの)から由来している。” (ウィキペディアより)
ふむふむなるほど。新しくするっていうことが主要な意味ですね。さらに
”「innovare」は「in-」(「内部へ」の方向を示す接頭辞)と動詞「novare」(新しくする)に分解される。動詞「novare」は形容詞の「novus」(新しい)から由来している。”
うーむ、「内部へ」っていう意味がいろいろ考えます。これまで自分が受け取っていたイノベーションのイメージと違う!
イノベーションっていうと、「え〜〜!」っていうくらい外見が変わるイメージです。思ってもみない価値を創出したり、すっごく見かけが変わったり、こんなのやるの?とびっくりしたり。
しかし、in は確かに「内」「中」を表す言葉。これはどういうことだろうか?
もしかしてイノベーションっていうのはこうじゃないか?
1.内へ内へ、中へ中へと深く入り込んで行く。
2.そこに「本来の価値」が発見される。
3.本来の価値から再度提供する相手見て、形を考え直す。
4.びっくりするくらい形が変わってしまう。
こんなプロセスをたどるんではないか?
これはたくらみ屋がよく言う「ゴールデンサークル」の何故やるか?に戻って考える、Whyから考えなおす、ということに似てないだろうか?
そう考えると、思い当たることはたくさんあります。
子ども商店プロジェクトは、観察から突然出てきた
たくらみ屋が推進している子ども商店プロジェクトは、2月から大学に採り入れられるなど大きな展開を見せ、これから子ども商店学校になっていきそうな勢い。
子どもの才能を青天井に発揮させ、それを見た大人が支援に駆けずり回って共に学び、その様子を見た地域が応援して盛り上がり、新聞に載って、次世代の学校教育に採り入れられていく。
みんなが、わ〜〜っ!と喜んでいる。
世間の評価はこれからですが、私たちは大きなイノベーションであると確信しています。
この子ども商店プロジェクトが始まったのは突然のことです。
我々の経営研修「MG」に参加していた女性が娘さんを連れてこられました。娘さんは女子高生。私はインストラクターとして前で話していたのですが、最初はずっと斜め下を向いていて、ブスーッとして不満そうでした。
いや〜、どうしようかな?!と思いながら研修を進めていきました。内心不安で仕方ありませんでしたが、最後に嬉しいことが起こりました。
1日終わった時に娘さんがお母さんに、上を向いて素直な目線で「お母さん、私、頭良くなったと思う。」と言ったのです。
その時のお母さんの嬉しそうな顔!
私の中で大きなものが変わるのを感じました。
この1回だけだろうか?と思ったら、その後も家族参加のMG研修で同じことが起こり続け、家庭で会話が増え、大人が「うちの子はこんなことができた!」と子どもの才能を見直すようになったのです。
大きな転機でした。我々の提供していた価値の見方が変わったのです。
これまで我々の研修は「大人が経営の力を身につける」という価値を提供しているつもりでした。しかしこの瞬間から我々が提供している価値は
・子どもの才能を青天井に開放される
・家庭の会話が増えて幸せになる
・その結果、親の仕事が良くなる
ということに変わったのです。
きっかけは、インストラクターとして気になって気になって、何とかしたいと思って、ずーっと「観察」していたことです。
何を観察しているか?
「目」です。
「伝えている時の目」「行動している時の目」「働いている時の目」
これです。本当にいい目をしているか。喜びがあるか。楽しそうか。伝えようとしているか。
話した言葉の内容はあまり気にしていません。いいこと話していても、やります!って言っていても、視線が死んでいたら本当ではありませんから。
そこに、私たちが発掘したいダイヤの原石、本当の価値があります。
前回の記事でも書きましたが、「ホンダイノベーション魂」の小林三郎さんも、観察の大切さをこのように言っています。
「おばあちゃんは何故巣鴨に行くのか? 価値があるからです。その価値は何か?
ずーっと座って観察するんです。
本田宗一郎は三日三晩座ってろ、いや、一週間座ってろと言った。」
観察しつづけて、そして「目を見て判断する」のです。
エアバッグを16年かけて開発した人だから、本当に説得力があります。
イノベーションは、分析では起こらない。観察から起こります。
論理からは始まりません。非論理から起こります。
小林三郎さんは言っています。
「観察すると、想いが出てくる。思想の”想”の想いだよ。本当だよ。」
そこには人間のストーリーが出てきます。感情が出てきます。熱意が出てきます。
熱意から熱中、夢中、イノベーションが起こります。
新しいことを起こしたい、イノベーションを起こしたいと思ったら、まず「観察」から始めてみませんか?
次回は、観察をする環境づくり、土壌づくりに「環境整備」が役に立つという記事を書こうと思います。
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投稿者プロフィール
- 1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。
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