社内研修を成功させるには

「みんながワクワクして働く楽しい会社にしたい!」

「あなたのプロジェクト実現集団」のたくらみ屋には、こんなご相談が増えてきました。そのために単発やシリーズの数ヶ月の研修プロジェクトをたくらみます。

相談中は経営者さんとは大いに盛り上がります。しかし。。。

プロジェクト実行が決まった後、社長には大きな悩みが発生します。

「どんなことをやるか、社員さんに伝えにくい!」

。。。とってもよくわかります! ごめんなさい!

何しろたくらみ屋の研修は「教えない」。みんなでワイワイガヤガヤ話せる場を創るが中心。

研修の場で、これからの会社で起こるように、皆さんが参加して答えを出していく。

だから社員さんに「何やるんですか?」と事前聞かれても、具体的に答えにくいことが多いのです(^-^;

そこで。。。実際にどんなことをやっているか? 先日の長野県の伊那での研修の様子を例に取ってお伝えしましょう。

* * *

1.現場の雰囲気と流れを知る
2.現場の人に興味を持ってもらう
3.スケジュールも、たくらみの一つ
4.現場の方に即したテーマから始める
5.何でも話し合える環境を創る

6.結果を自分たちで評価できる環境を創る
7.懇親会も参加しやすいたくらみを
8.研修内容と現場を結びつける
9.上司は黙る時間を多くする
10.仕事が良くなれば自分も良くなると実感してもらう

* * *

1.現場の雰囲気と流れを知る

実際に研修をたくらむ前に遠くても現場を見に行きます。今回も事前に長野県の現場を訪問することから始まりました。

何を見るか?「流れ」です。

仕事はスムーズに流れているか。コミュニケーションはスムーズに流れているか。この流れ感は現場に行かないとわかりません。

流れが淀んでいる、詰まっているところが課題と言えます。

製造工程が詰まっているならTOCか? 競争の激しい市場ならMGか? コミュニケーションに難があるならマイストーリーワークや指示ゼロ経営セミナーか? それとも別の入口があるか?

その状況に合わせて、自律的集団への入口を選択していきます。

今回は製造と営業との流れづくりが大切だと合意したので、TOC研修を選択しました。

 

2.現場の人に興味を持ってもらう

実際、ここが一番のたくらみどころになることが多いです。

現場はそもそも頑張っているので、これ以上に研修などで新しいことをやって、仕事が増えるのに抵抗感があることがほとんどです。

ですから「何をやる」ではなく、「何故やるか?」を中心に伝えてもらいます。

例えば、こんな伝え方です。

「これまでより仕事量を減らして時間を創り、なおかつ儲かるようにするためにやります!」

あれ?今までとは確かに何か違うぞ? と感じていただきます。

こんな伝え方をして、例えば

「そうそう!早く帰れて子どもの世話をする時間も取りたいよね。」
「あの人がいつも残業して大変そうなのを少しでも助けたいよね。」

こんな声がぼつぼつ出てくると、研修に興味を持って取り組む姿勢ができてきます。これが効果を大きくします。

実際には社長とこんなやり取りがありました😊

「先日の見た事例を製造部に簡単に紐解きながら話したところ、”なぜかはさっぱり分からないけど、何処にでも通用する改善法があるなら何としても聴き出したい。懇親会⁈ 絶対開いてください” ですって(^_^;) 営業部も ”それで納期が改善⁈ 意味わかりませんが是非お願いします”と言っております。 凄く興奮してきました(≧∀≦)」

そうなると、手段は何でもいいはずです。逆に何のために?が伝わってないと、何をするんですか?と根掘り葉掘り聞かれ続けることになります。

 

3.スケジュールも、たくらみの一つ

その上で、最も効果的なスケジュールを決めていきます。

今回は2日間研修を決めたのですが、現場からの「2日連続は社員の休みがなくなり負担が大きすぎる。2週で1日づつやってほしい」という意見を受けて、そのように組みました。研修は休日出勤扱いにし、お弁当、懇親会も会社負担。ここはケチらず「これは本気で会社を良くしようと思っている」と感じていただくことが重要です。

逆に会社によっては「繁忙期に敢えてやるのが、課題がよく見えて効果が早くいい!」ということで、皆さんでチャレンジする場合もありました😃 もちろん効果が抜群でしたが、社内の「流れ」をよく見ての判断ですね。

 

4.現場の方に即したテーマから始める

実際に現場の皆さんが忙しい中の時間を割いて集まった研修。ほとんどの場合は疑問もあるでしょうし、そんなことに時間とお金を使うなら。。。という反対の意見も多いはず。

そんなスタッフさんにも最初に「来て間違いなかった」と思っていただけること大事です。

我々はそれぞれの研修の雛形は持っていますが、社内研修ではまずそのようには進行しません。最初に何を出すか?は凄く大事なのです。

今回は特に製造で困っているような雰囲気が多々ありましたので、「これならできると思える」簡単な改善で現場が激変したという2分半ほどの短い事例動画から見てもらいました。

「早く帰れるっていうのは本当かも知れない」
「時短しても儲かるっていうのは本当かも知れない」

そんな期待感を持ってもらえれば、まずは成功です。

 

5.何でも話し合える環境を創る

興味を持っていただいているうちに、皆さんが共通の基準にできる会計などのモノサシを説明しておきます。そしてその後すぐに楽しくできる経営ゲームやワークという形に持っていきます。今回は工場を擬似的に作って製造販売するゲームを行いました。

ゲームのいいところは、とにかく皆さんが話すことです。

コミュニケーションが取れていないという状態は、環境が硬直している場合がほとんどだと感じます。そこで業務の抽象度を上げてシンプル化したゲームをやることは、いろんなコミュニケーションを引き出します。

楽しそうでしょ😊

ずっと講師の話を聞いている研修では、会話が「流れ」ません。その時は分かって良くなる気がしても、コミュニケーションが流れてないと会社に帰ってから持続しないのです。

流れ続ける環境を創ることを常に意識します。

 

6.結果を自分たちで評価できる環境を創る

上の写真をみていただくと壁に表が張ってありますね。これにゲームの結果や数字を張り出していきます。1回、2回、3回と繰り返していくごとに、ゲームではあるけども会社が良くなることを数字で比較して実感してもらうためです。

表を見ると「在庫が減ったよね」「お金が増えたよね」「仕事早くなったよね」「儲かったよね」とはっきりやって良くなったことがわかります。

この「結果を自分たちで評価できる」成果物は、とても重要です。

結果を社長などの上司が主観たっぷりに「評価」するようでは、結局現場は会社に帰ってから上司の顔色を見て仕事をします。それでは現場からは何も変革は起こりません。

しかし上司も部下も、書かれた「事実」を見て一緒に考えるならば、一緒にいろいろ考えて良い会社かどうか?を評価することができます。

セミナーではこの環境を作れるようにします。

研修は有意義だった、しかし現場は何も変わらなかった。。。という場合は「評価」という環境が邪魔をしている場合が多いのです。この環境を変えるモデルを示すのも、ゲーム研修の大きな役割です。

 

7.懇親会も参加しやすいたくらみを

懇親会は、研修では聞けなかったことを聞く場所、言えなかったことを言う場所。

「あー、この納期が遅れる様子はリアルと同じだ!」「私は利益が出たのにお金がないのがリアリティがあった」などなど、いろんな面から見た現実を擦り合わせることができます。

本当に根本問題が明確に共有されて研修と現場が繋がった時は、グチがほとんど出ません。どうやって会社と自分たちの生活を良くしようか?という話ばかりが行われています。

懇親会は、意図しない良いことが生まれる確率が最も高いです。強制参加って言うよりは、店や料理も選んで、誕生日祝い?なども効果的に活用して、できるだけ参加したい!と思ってもらうような場を設定したいですね。話が流れないと、無理に参加してもらっても逆効果ですからね。

ちなみに今回は1回目の懇親会は社長は出ませんでした。直感的に社長は判断したようですが、コミュニケーションがよく流れたいい判断だったと思います。

 

8.研修内容と現場を結びつける

研修を研修で終わらさないために、紹介する現場実例を選択します。

現場実例はたくさん出せばいいってものでもありません。その時間までに皆さんが盛り上がったところ、注目しているところ、問題としているところに焦点を当てて、最もすぐに採り入れられそうな実例を紹介します。

今回は酒蔵レストランで、商品を絞って仕掛品を作ったことが成功につながった事例を紹介。
http://shigeomorimoto.jp/virtuous_circle/

この事例紹介は、今回の最終的な結論が「アイテム数の削減」にあったので、とても意味があったようです😊

 

9.上司であればあるほど、黙る時間を多くする

この場面を見て下さい。

みんなが集中して業務フロー図を作っている後ろで、写真を撮っているのは社長です。

社長は最終決定権を持っていることがほとんどなので、社長が話すとそこでそれが正解・決定となり、ディスカッションが終了してしまいます。

これまではそれでうまくいっていた会社も多いと思います。しかし今、社内改革をしようと思っているほとんどの会社は、それでうまく行かなくなったからプロジェクトをしようとしているのです。

実はたくらみ屋は場作りのために「待つ」のが得意です。筆者は「60秒黙る」という自己ルールを持っています。

普通は15秒位すると居てもたっても居られず講師や社長が話し出してしまうのですが、そこは穏やかに待ちます。穏やかに待てるようになるまで2年くらい修行しましたが(^-^;

ここが、研修の後半を成功させる最大のポイントかも知れません。

実際この写真の研修が最終的に成功したのは、社長が終了1時間前の30秒の沈黙に耐えたからだと思っています。黙ることも社長ご自身で意思決定されました。

そこから1人の社員さんが口火を切り、笑顔が増えていきました。皆さんが自分たちで考え始めるのです。

社長はその場面では「他社や業界はどうなっているのですか?」と社長のみが良く知る情報を求められ、1プレーヤーとして活躍することができました。

指示されたことではなく、自分たちで考えたことは、帰ってからすぐに実践します。あくまでも、研修が終わってからが大事なのです。

 

10.仕事が良くなれば自分も良くなると実感してもらう

最後に研修で得たポイントを実践すれば、どんないいことが起こるかを書いてもらいました。

今回は「商品アイテム数が多すぎるので、商品アイテムの削減を実行する」という案が出されました。

念のためにこのような質問をします。

「もしそれが実行されれば、会社は良くなりますか?」

本当に困っていることなら、その反対はとってもいいこと。本当にいいことならば、0.2秒で「はい!」という反応が出ます。

皆さんがすぐに大きくうなずくのを見てスタート。たった10分で「 (社員さんが) 家が建てれる」イメージまで書き出されました。

皆さん大きな拍手。会社が良くなることと、自分が良くなることが繋がった瞬間です😊

「この付箋、ラミネートして保存しよう!」という嬉しい声が聞かれました。

* * *

今回実際の社員研修を振り返って、我々がポイントとしているところを整理してみました。皆さんの会社経営にも何かしらの参考になれば幸いです。

たくらみ屋にプロジェクトを相談したい方は、メンバーのFBメッセージか、こちらの手配書でご連絡くださいね😃

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投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

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