知識・経験が増えたらイノベーションは起こらない

ここ数年、急激に新しいものを創り出す創造力・イノベーションが求められていると実感します。何だか「渇望」に近いレベルです。

デザイン思考・デザイン経営っていう言葉に反応が大きくなってきているのも、今までの論理的な思考方法では何だかうまく行かないと感じているからでしょう。

よくよく見ていくと「デザイン」っていうのも別に感性的っていうことではなくて、優れたデザイナーであるほどベースがとても論理的であったりするわけですが。

何はともあれ、これまでなかった発想を出したい、アイデアを出したいという欲求が高まっています。どうしたらいいんでしょうか?

 

40歳以上の方、あなたには絶対できない!

最近、よくタクラミストたちと見るDVDがあります。「ホンダイノベーション魂!」。

エアバッグを16年間ホンダで研究し続け、ついに開発成功させた小林三郎さんがイノベーションついて語るビデオです(エアバッグの発明者は小堀保三郎氏)。

いやー、このべらんめえ口調が響く響く。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」のチコちゃんなんて吹っ飛ばす勢いです。なんたってエアバッグのイノベーションやっちゃった人だから。

そしてタクラミストがこれを見た後、全員が話題にしていた言葉があります。

「40歳以上の方、あなたにはイノベーションは絶対できない!」

あ〜!、我々全員失格だ〜!

「本田宗一郎はそれを分かっているから、ホンダの技術研究所は40歳定年だった。」

え〜、そうなの?!

そして、続けて言う理由に深く納得です。

「何故なら、知識が増えるからなんです。」
「過去の経験と知識は多ければ多いほどいいの? 多いとダメな領域があるんです。」

そうなんです。森本は2013年あたりから「利口になるよりバカになるほうがいい」と感じ始めました。恐らくこの「知識が増えるとダメな領域の重要性が急激に増えている」と感じたんだと思います。

その感覚を、小林さんは見事に表現しているのです。

自分ではイノベーションを生み出せない年齢になってしまった。じゃあどうしたらいいの?

 

若い人に恐れずしゃべってもらう場作り

昨年、子ども商店プロジェクトでこんな場面がありました。

シミュレーションゲームと会計で商売の勉強をした小学生たちが、リアルの商店街イベントでいよいよ満を持して出店。何週間も共同出店の友達と試作し、親御さんにも手伝ってもらった自慢の商品を売り出します。

ついに商品が売れました! 売れた時に商品を手渡しながらポーンと言った一言が、傑作!

さて、その一言は何でしょうか?

このクイズを大人たちに出すと

「ありがとう! でしょ?」
「美味しいよ! じゃない?」

もう、全く違うんです! それは大人が考えるフツーの答えなんです。

それからいろんな言葉を言ってみますが、未だ当たった大人は居ません。

さてその言葉はなんでしょう? それは。。。

 

「お金払った?!!」

 

です(・o・)

 

大人の店員さんなら絶対に言わない。お客さんも周りの親たちも私も大爆笑!

しかし。。。この言葉がどうしても頭から離れない。後になってとても考えさせられる言葉だったんです。

 

これって本質を言い表していると思うんです。集金しない限りは自分の仕事は儲かっていない。

だって集金で苦労している大人たち、世の中にたくさん居ますから!

そして、お店の運営としても考えるんです。

この言葉は大人も実際の商売の場面でも言いたくなる場面があると思うのです。でもぐっと飲み込む。子どもはストレートに言ってしまう。

最初のうちは子どもだからって許してもらえると思うけど、何回も続くと買ってもらえない。

ではこの言葉が出ないようなお店の仕組みを創るとどうか? という方向でもアイデアを出すことができます。

 

例えばたくらみベースでよく交流会に使う、レストランの料理を宅配する「Uber Eats」は、この言葉が出る場面はありません。

何故なら、商品を受け取る時に金銭のやりとりもサインも要らない。

だって事前にネットでカード決済しているし、GPSで配達員が届けた記録が残り、届けた後に自動的に領収書がメールで送られてくるから、何もしなくていいんです。

本当にラクチン。こんな場面を体験すると、イノベーションだな〜と思います。

このイノベーションで、家族イベントでもお店のタバコなど気にすることなく、騒いでも気にすることなく、すぐにその場をレストランに早変わりさせることができるようになりました。

 

内容で判断しない、目を見て決める

若い人の言葉は、イノベーションの宝庫です。最近これに気づいたお菓子メーカーのコイケヤさんは子どもたちと商品開発する「プロフェッショナル 子ども大学」を作っています。

そう、年長者の役割は若い人たちに恐れず躊躇せず、革新的なことを言える場所を創ることなのです。

先述の「ホンダイノベーション魂!」で、小林三郎さんはこのようにイノベーション・マネージメントを語っています。

・年長者は若い人に本質を問う
・答え型(型は、本質とコンセプト)と目を見て判断する
・内容で判断しない

詳しくはDVDを手に入れて見てほしいのですが、これならたくらみ屋はできる!と思いました。

イノベーションの場作りはもっともっとできる。そう確信しました。

私もとっくに40歳は過ぎていますが、タクラミストたちとたくさんの場を作っていこうと思います!

 

イノベーションを支援する たくらみ屋プロジェクト相談はこちら

↓ たくらみ屋 米澤晋也が初の出版 2019年1月18日発売、既に増刷決定!
↓ 指示ゼロ経営 リーダーが「何もしない」とうまくいく。
↓ こちらから買えます。今すぐクリック!

投稿者プロフィール

Shigeo Morimoto
Shigeo Morimoto
1966年大阪市生まれ。革新の好循環を起こす「プロの素人」。株式会社こきょう 代表取締役。「教えない」企業研修で何故か良くなってしまう。そのためにTOC(国際認定ジョナ資格)、MG(西研究所認定インストラクター)、20年のEC業界経験で築いたご縁と、大学で河合隼雄氏に学んだ臨床心理学を駆使。

相談に答えない事業相談会

1時間の無料問診で自己治癒力を引き出す「たくらみクリニック」

たくらみ屋の最も気軽な相談窓口です。こんな方に効きます。
・とにかく思考が整理されておらず、とっちらかっている。
・次の一手がわからない。
・問題がたくさんありすぎて、何からやっていいかわからない。